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2016年11月30日 (水)

三代目、りちゃあど(11/29)

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東京芸術劇場の小劇場で、劇場の芸術監督である野田秀樹が1990年に自身の劇団「夢の遊眠社」に書き下ろし、上演した作品「三代目、りちゃあど」を観た。

初演時には(もちろん)野田自身が演出、出演もしていたのだが今回はその26年前の野田戯曲をシンガポール演劇界の大御所、オン・ケンセンが演出。アジアの文化が混在したアジアミックス&文化ミックス&性別ミックスバージョンとして上演している。

実はこの作品、この春に静岡SPACの国際演劇祭で観ているのだが、その時の印象(感想)とかなり違ったのでー今回の方が多いに作品を楽しめたー、もしも春にすでに観ているので今回はパスをしようと思っている方がいたら、ぜひ騙されて観劇してもらいたい、と言いたい。

前回は戯曲の良さが伝わってこないうちに打ち上げ花火のように散ってしまった感があったのだが、形状、大きさが異なる劇場へ移っての今回の公演では「三代目、りちゃあど」の戯曲の面白さがケンセンの前衛的な演出、さらには彼が目指した(良い意味で)ごちゃ混ぜな様々な仕掛けー例えば、上演は日本語、英語、インドネシア語が入り混じり、日本からは歌舞伎、狂言、元宝塚、そして現代劇の俳優陣が、インドネシアからは伝統芸能の影絵師、シンガポールのトップ俳優が参加、女優が髭を書き、男優(女形だが)がネオンピンクの口紅を塗るーにより、2016年の刺激的な舞台に仕上がっていた。

90年、グローブ座で上演された際、あちらこちらに仕込まれた既存のもの(定着している古典の解釈)への疑いの眼差し、さらには既存の演劇に対する新しい試みに、目を見開いたものだが、今回はその野田芝居のきらめきが舞台に息づいていた。

26年前に今日の Post Truthを予言するような台詞を書いていた野田の批評性、それこそがこの芝居を上演する意味であり、見事にそれが舞台に上がっていた。

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