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2016年11月22日 (火)

キネマと恋人 (11/21)

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世田谷パブリックシアターとKERA・MAPが組んだ新作舞台「キネマと恋人」を観た。

1985年公開の映画、ウッディ・アレンの「カイロの紫のバラ」に構想を得たケラが設定を1930年代の日本の架空の島へ移し、銀幕から飛び出してきたスター(今作では”未来”の大スターで妻夫木聡が演じている)と現実逃避気味の映画好きの人妻(緒川たまきが演じている)のひとときの恋という大枠はそのまま、当て書きのジョークを含め、ケラならではの細やかさで笑いを足し、役者の動きを小野寺修二が担当したことにより流れるようなシーンの切り替えを舞台で実現させた(良い意味で)誰もが楽しめる娯楽作。

リズミカルで魅力に溢れた架空の島の島民たちが話す方言ー基本的には西方・四国の方言と似ているが、独自の言葉、例えば、とても=「バリンコ」、語尾に「〜だり」「〜がって」がついたりするー、舞台セットが役者たちのダンスの動きによって転換され(by小野寺修二)、時に大きな白いついたてがスクリーンに早変わり映画の世界(映像)を瞬時に三次元の舞台空間に併設させる、などなど多作で知られるケラリーノ・サンドロヴィッチならでは、舞台作りのプロ中のプロの集団(演出、映像、動き、そして俳優たち)が作り上げた現在の日本演劇界が世界に誇る高品質の舞台。ナショナルシアター・ライブ、ゲキシネなど舞台と映像の境界線が様々な技術面での質の向上により曖昧になりつつある(双方の歩み寄り)今日、映画好きから演劇オタクとなり日々様々な演劇の可能性の探求を実践の中で行っているケラによる彼の好きな映画とそして、もちろん演劇に対するオマージュ作品。

オープニングのバスター・キートン、ハロルド・ロイド、そしてマルクス・ブラザーズのスラップ・スティイク黄金期のフィルム上映に始まって、映画好きにはたまらない映画ネタ、ジョークも見所の一つ。

ケラさんは同年代なので、彼がプログラムでインタビューに答えている人生のタイムラインが自分のもの、自分の文化史と重なる。ーまさにチャップリンから始まり、マルクス・ブラザーズ、モンティ・パイソンからのその後の名画座でのハリウッドミュージカル映画のはしご、スピルバーグ&ルーカス時代。。。と走馬灯のように蘇る。今でこそ夜は観劇、が定番だがOL時代は友達や映画好きの先輩と仕事終わりに名画座が一つのお決まりイベントだった。そんな時、当時大人気だったアレンの「カイロの紫のバラ」も銀座の映画館で観て、「へ〜〜こんな仕掛け、面白いよね」と友人と話しあったと記憶している。

ハリウッドスターばりに能天気な銀幕スター高木高助を妻夫木聡が好演している。

夢見る夢子ちゃんの緒川たまき、さらにはその妹役のともさかりえもはまり役ーそういえば、映画版でもアレンの(当時の)伴侶ミア・ファーローが好演していたー。

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