« キネマと恋人 (11/21) | トップページ | 天使も嘘をつく(11/24) »

2016年11月23日 (水)

ヘッダ・ガブラー(地点バージョン) (11/22)

Ibsen_2

国際演劇祭 「イプセンの現在」シリーズの第一弾、三浦基率いる地点の「ヘッダ・ガブラー」をあうるすぽっとで観た。

この「イプセンの現在」では趣向の違った国内外(外はベルギー、ノルウェー、ルーマニア)のカンパニー6団体が、そのうち3つのカンパニーがイプセンの代表作「ヘッダ・ガブラー」をあとの3つが「人民の敵」を上演するというもの。テーマがはっきりしたフェスティバルー企画は、その企画の段階で魅力がある。今回も、ほとんどが初見のカンパニー(地点と名取事務所を除いて)だが、見比べるという観点からどれも観てみたいという気になる。で、演出家、カンパニーによって視点が違う古典作品を観られるというのは、その比較によって自分の中に新しいイプセンが浮かび上がってくるという可能性にも大いに期待が膨らむ。

で、その「現在」という企画意図から、地点のこの「ヘッダ・ガブラー」からこのシリーズを始めるというのも正解であると思う。

古典戯曲(チェーホフ、シェイクスピア)の大胆な解体・エッセンスの抽出による簡略化で知られる地点ではさらにその新しいテキストを有効に表現するため、演出家の求めた身体表現が可能なカンパニーの定着俳優たちによって世界が立ち上がる。

今回の約70分に凝縮された「ヘッダ・ガブラー」ではそのストーリーは通常の上演のようには進まない。

主要な役に扮した役者たち六人がロッキングチェア/木馬に乗ってそれぞれの心の内、欲望を吐露する。筋立てを追うのではなく、登場人物の願望をその思いの抑揚で言葉でぶつけ合うことにより、これらの人たちの間で何が起きたのかを見せるという趣向だ。

結局のところ、外的要素を排除したこれこそが彼らに起きたことだったのかもしれない。

俳優たちも作品を追うごとに魅力的になってきていて、安定感が増してきている。

|

« キネマと恋人 (11/21) | トップページ | 天使も嘘をつく(11/24) »

「観劇」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/223541/68551788

この記事へのトラックバック一覧です: ヘッダ・ガブラー(地点バージョン) (11/22):

« キネマと恋人 (11/21) | トップページ | 天使も嘘をつく(11/24) »