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2013年8月 9日 (金)

cocoon(8/8)

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↑「ほぼ日」で追加チケットを扱っているそうです。

原爆の日を迎え、終戦記念日が近づいていが、年々戦争関連の報道・行事が減っていくなかで、あの戦争、われわれの過去とこれからの展望を「今」の立ち位置で考えることを促すことの出来る秀作。夏休みの一本、ということで家族で観劇するのにもおススメー観劇後に家族で花火でもしながら、戦争について語りあうなんて非効率的夏の夜の過ごし方もよいかもー

芸劇シアターイーストで藤田貴大率いるマームとジプシーの最新作、今日マチ子原作マンガ「cocoon」の舞台化を観た。

今日マチ子さんのマンガは読んだ事がないのだがチラシやマームとジプシーのHPで見た絵からその作風のタッチを想像してみる。

ちなみに、原作cocoonについてのウィキ情報は****

cocoon

秋田書店の編集者から「沖縄戦についての長編漫画をかきませんか?」という依頼のもと連載が始まった作品。当時は1P漫画、Web漫画、短編漫画家として世間から見られていた今日マチ子の作家として分水嶺となった作品。2009年5月号「エレガンスイブ」から連載。2010年8月5日単行本発売。 沖縄戦の「ひめゆり」をモチーフとしながら、作中にあえて戦時中の日本に存在しなかったものを登場させ、兵隊は白い繭として描かれるなど、少女性と想像力と現実とを混在させて描いた作品。

*********

****ネタバレ注意****

この原作を用い、藤田貴大はオリジナルな演劇作品へと転換しさらには演劇だからこそ引き出しが可能な成果をあげている。

まず今回の上演のの特筆すべき成果として2つのことを挙げたい。

過去の出来事を覚えておくために学ぶ、のではなく、未来へとつなげるためにあえて現在形で戦争を提示している。

ウィキによると原作者今日マチ子も同様の方法論をとっているようなのだが、今演劇舞台でも藤田はその方法を選択している。

終戦時の状況、時代背景を考えると不自然な演出ー言葉遣いや衣装、女生徒たちの振舞い方などーとくに話方は今どきの(中)高校生そのもので、例えば「それ、意味わかんな〜〜い」ときゃっきゃとはしゃぐ役者たち。はじめはその今どきの彼女たちに正直、違和感を覚えた。いくらテキストのリズムを重視する演出家だとしても、いくら2013年の芸劇だとしても、果たしてこの方法は戦争を語る方法として適しているのだろうか?と。

しかし、劇が進むにつれ、これは確信犯の演出なのではないか、と思えてきたのだ。

今、戦争を語る(舞台化)するときに何をターゲットとして据えるべきか、− 戦争は怖くて、醜くて地獄のようなんだ− といくら語ったところで、それがどれほど伝わるのか。伝わったとしても、どれだけの人が忙しい生活の中で(過去の)戦争について鑑みてくれるのか。。長年にわたる国民をあげての戦争忘却化阻止キャンペーンをはったところで、結局のところ、近日の政治状況などをみると、また「あの頃を取り戻そう」なんていった風潮へ向かいつつあるのが関の山。だったら、人一人一人に真剣に考えてもらうためにはどんな伝え方をすれば良いのか。。。といった熟考の末、肌で直に感じる演出で戦争は過去のものではなく、たまたまあの時期に日本は大きな戦争を体験しただけで、その実態を顧みなかったら、もしかしたら我々の身にも十分に起こりうる人類の悲劇、渋谷でアイスクリームを舐めてはしゃいでいる彼女たちが砲弾を受けウジにたかられる現実も起こりうる(実際のところ中東やアフリカの地では日常に爆弾テロ被害、自国政府による市民爆撃、他国による突然の宣戦布告などもあるわけなので)、、ということを目の前で起きている彼女らの体験から感じ取ってもらうため、あえて今日の彼女たちの身体を使ってみせているのだな、と。

最後に生き残った主人公サン(青柳いづみ)と繭(菊池明明)が生きるために目指す海。以前JTの取材でインタビューした藤田氏が生まれ育った北海道の地元では大海へと続く海岸が未来への自由の扉の象徴だったと語っていたが、ここでは彼の実体験がサンと繭の生きる希望を灯すシーンへと活かされている。劇中の「海」という言葉を「将来」と置き換えてみると、はっきりそのメッセージが聞こえる。

*2次元のマンガとは違って、生きた俳優を介する演劇表現だからこそ出来る事を実践している

今回、プロジェクターによるイメージ喚起の方法が用いられる傍ら、十数名の女優たちの身体表現が重要視されている。劇団のトレードマークでもあるリフレイン(繰り返し)による発声、そしてライブパフォーマンスならではの身体を張った身体表現–得に終盤、砲弾の中を逃げ惑う女性徒たちの疾走、ダンスのように計算された集団の動きは圧巻ーがスクリーンに映し出される生き物の殺傷シーンよりもより効果的に生と死(激しい生を強調することに死が際立ってくる)を体現していた。

前述の時代錯誤の現代語も生身の役者が発することにより、さらなる効果を上げていると感じた。

******

最後に、やはり主人公サンを演じた青柳いずみの好演によるところも大いにあることに触れておきたい。

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コメント

広島・長崎への原爆投下を「神の懲罰」と書いたのが韓国の嫌日紙「中央日報」である。

投稿: うなぎ | 2013年8月 9日 (金) 16時38分

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