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2013年7月10日 (水)

盲導犬(7/8)

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シアターコクーンで唐十郎作、蜷川幸雄演出、上記のお三方が主演(宮沢りえ、古田新太、小出恵介)の「盲導犬」を観る。

******劇場HPより******

演劇界を騒然とさせたシアターコクーン・リニューアルオープン公演『下谷万年町物語』で、アンダーグラウンド演劇の真髄、そして唐十郎作品のスペクタクル性と繊細さを同時に表現した蜷川幸雄が40年前の衝撃をそのままに再び『盲導犬』に挑みます!
本作は唐十郎が「櫻社」のために書き下ろし、蜷川幸雄が初めて手掛けた唐戯曲です。初演時(73年)は、当時の社会情勢が色濃く反映されたアジテーション演劇とも評価されていた本作。時にコミカルでありながら、美しく詩情に溢れた台詞の数々、底辺を生きながらも高潔な魂を感じさせる剥き出しの登場人物など、普遍的な唐戯曲の真髄が散りばめられています。

*************

05年に劇団唐ゼミ*による同舞台(中野敦之演出)を初台の新国立劇場で観ていて、無名の若い役者たちによる舞台だったのだが、意外にも(?)彼らにとっては一時代前の唐十郎の世界を見事に体現していて、大いに堪能したのを覚えている。

横浜国立大学教授だった唐十郎のゼミナールをもとに発足した劇団。主に青テントで唐十郎作品を上演。

 で、今回のシアターコクーンでの舞台なのだが、どうにも些細なボタンのかけ違いからくるものなのか、ステキな俳優でビューティフルな舞台セット、、なのに如何せん、どうにもこうにもしっくりこない。

 安保闘争の敗北による苛立ちと虚無のなか、理想を打ち破る現実社会、高度成長経済の暴走に対する抵抗を叫ぶには、場所も俳優も豪華なセットさえ、また客席に座る安穏としたエンタメ思考の観客たち(我々)さえも、、その全てが何か違うボタンのような気がする。

唐が投げかけた問いかけが、謎解きが広い空間に拡散され、すっかり薄まって、聞き取れなくなり、単に過去の名作の再演に留まってしまっている。

主役の宮沢りえも綺麗すぎるのがアダになる(前回の「下谷万年町物語」でもそうだったのだが)というのはなんとも皮肉な結果だなと感じる。

幕開けの獣臭(本物の盲導犬、立派なシェパード犬が数頭登場するのだが、彼らが走り去ったあとにはほんのりと獣の匂いが。。)漂うような危うさを、その後も持続して我々を挑発し続けて欲しかった。

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