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2013年5月22日 (水)

て(5/21)

Te1051

東京芸術劇場で上演中のハイバイの代表作「て」再再演舞台の初日を観る。

アフタートークで作者(今作では演出、そして出演もしている)の岩井秀人氏が「実際にうちのおばあちゃん、そして劇の中では笑いをとる存在として少しマイルドになっている父親が家族に言い放っていた言葉をそのまま使っている」と語っていたように、作者の半自伝(半よりももっとなのかもしれないが)といった内容になっている。

*****劇団HPより*******

祖母の痴呆をきっかけに再集合した家族が、過去の関係を清算しきれず、さらに大爆発する様子をハイバイらしい「ちょっとウンチ着いたくらいの『人間くささ』」 で描ききったスーパー家族劇。
母を岩井秀人が演じ、祖母を永井若葉がフツーに演じ、全体としても「同じ時間を視点を変えて2周する」という 試みもあり、ハイバイとしては異色の、しかし、その試みが全てジャックポット入った奇跡の名作。

*****************

09年の再演、そしてユースケ・サンタマリア、荒川良々らによって青山円形劇場で上演された11年の舞台、そして今回、再演時と同じ東京芸術劇場で上演されているハイバイ10周年記念全国ツアーの皮切り公演と三度目の「て」なのだが、あらためて日本演劇史に残る名作であることをかみしめた。

ー極めて個人的な話ながら、井上ひさし作品同様、世界へ紹介すべき、でもってチェーホフやテネシー・ウィリアムズの劇のように、世界どこでもわかってもらえる日本戯曲のひとつだと確信しているー

なぜなら、劇の根底に流れるテーマが普遍だから。

家族だということで、錯覚し、思い込みがちだが、所詮“人はひとりだということ。”

隣の人の考えていることが分るわけはない、それほどに孤独でindependentだということ。にもかかわらず、人にーそれが近しい間柄の人であればあるほどー対して、どうにかできるのではと干渉してしまう、のが人の「思い」で家族という集団。

この人間の存在そのものが抱える矛盾を、この劇では多くのシーンで言葉にならない言葉ー言葉のさらにその先にある無言のメッセージで届けてくれる。

言葉を越えた強固なメッセージ、問いかけがあるから、この劇を世界が共有出来る。

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