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2013年3月24日 (日)

熱狂(3/23)

Stage33271_1

演劇サイトCoRich主催の年間投票で1位を獲得した舞台の早期での再演舞台を新宿サンモールスタジオで観る。

00年から活動を開始している劇団チョコレートケーキ。当初はコメディタッチの作品を上演していたらしいのだが、前述の演劇賞などを獲得するようになった近年は歴史的事件、死刑が絡む裁判のあり方や権力構造のゆがみなどを題材にした社会的な作風で大いに注目を集めているようだ。

今回は昨年10月に初演した2作品日替わり公演の再演で、私が今回観た「熱狂」では独裁者ヒトラーが唯一無二の第三帝国独裁者となるまで、そこへ辿り着くまでのナチス創立メンバーたちを含めた男たちの天下取りへの奮闘、内部の暗躍などが描かれ、もう一本(こちらは未見)の「あの記憶の記録」ではそのヒトラーが実行した生き地獄アウシュビッツの数少ない生存者であるユダヤ人の家族が戦後テルアビブで暮らしているという内容の話で対をなしている。ーーそのCoRichのレビューで2本観ることを勧めていたが、やっぱり出来るならば2本観た方がすっきり!ずっしり!!くるのだろうな、と思う。

ミュンヘン一揆後の裁判で実刑をくらうものの、その魔力のような演説で民衆の心を鷲掴みにしたヒトラー。タイトルにあるように、人々がそしてナチス幹部たちがぶれない強い指導者に熱狂していく様は考えさせられる部分がおおくある。組織の中での集団意識とそれを天才的に利用してますます存在感を増していく総統(Fuhrer)...最初は党内で意見の衝突、ヒトラーへ自らの意見を述べる側近たちがいたものの「指導者は一人だけ」と念仏のように唱えるヒトラーの言葉に飲み込まれるように絶対服従は徹底されていく。

国のスーパーインフレにより自らの生活を脅かされた民衆達の「不安」を大きな力に変え一方向の大きなはけ口(ユダヤ人、共産主義者、そしてマイノリティーらへの攻撃と虐殺)を容認させ、ますますその不安を国民の高揚へと転換させていったヒトラー。

『先日の燐光群の芝居、「カウラの班長会議」の中にもこんな台詞があったな。。。「人を突き動かすものは欲望だとか、動物的本能だとか言う人いるけど、結局のところ「不安」じゃないかと思うんです。」』

と、ナチスの民主主義に乗っ取った台頭、それを組織的に成し遂げた男たちの芝居はそれぞれの思惑などが垣間見えてドラマとして見応えがある。

惜しむらくは、さらにもう一歩、誰かの心情に踏み込んだ、もしくは大胆な脚色が加われば社会性にさらに強度が増したかも。ーーーその強度は2本の対比によってつけているのかもしれないが。

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