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2013年3月16日 (土)

トカトントンと(3/15)

Stage34316_1

KAATのNIPPON文学シリーズ第三弾で、三浦基氏率いる京都で活動している劇団「地点」による太宰治短編小説を舞台化した作品の2本立て。そのうちのまずは1本目、昨年同劇場で初演し好評を博した「トカトントンと」を観た。
日本の戦後処理がいかに日本人の精神基盤へ未解決の不安要素を植え付けたか、アイデンティティの不在を生み出したかを鋭く、賢く描いた太宰の傑作をさらに演劇手法によってよりはっきりとした形で見事に表現した傑作!
今の日本の源を見つめるために、大人として観て絶対損はない、そんな1本。
見逃すな!!!!!!

good

*****演劇サイトより*******
玉音放送の直後に聞こえた「トカトントン」の音に苛まれ、復興へ向かう社会の中で、ひとり虚無感を克服できない日本人―。『トカトントンと』は、戦後保留にされ続けてきた問題として天皇制を改めて捉え直す作品です。一方『駈込ミ訴へ』は、ユダがキリストを裏切るまでの心の揺れ動きを、一人語りの手法で描いた小説『駈込み訴え』の舞台化。この作品でテーマとなるのは、キリスト教です。
西洋社会の基盤となっているキリスト教は、西洋の近代、そしてそれを直輸入した日本の近代を把握するための重要な要素の一つです。芥川龍之介や太宰治といった日本の近代化に自覚的であった作家たちの興味もまた、聖書とキリスト教に向かいました。近代以降現代に至るまで、芸術が立ち向かうべき核心の一つがこの「キリスト教」にあると言っても過言ではありません。
なぜ社会は成熟しないのか。なぜ未だ解決されぬ苦しみがあるのか。太宰治は天皇制とキリスト教という大きな社会システムをとりあげ、それに対応できない個人を描写することで、現実を批評しようとしました。しかもその語り口は軽快で、聞く者を楽しませようという捨て身のサービス精神に溢れています。
この太宰スピリットを手がかりに、『駈込ミ訴ヘ』と『トカトントンと』という二つの作品を同時に上演します。現代社会を日本固有の天皇制と西洋的価値観であるキリスト教という両面から照射しようという野心満々の演劇です。

『人間失格』のイメージが払拭された新しい太宰像

『トカトントンと』初演では、「太宰の現代的ポテンシャルを最大限引き出した」(村井華代)、「歴然と、毅然としてアクチュアルな問題」(佐々木敦)と、太宰文学の色褪せない魅力を伝える舞台として高く評価されました。
『人間失格』に代表される暗い私小説作家としての太宰治ではなく、戦中戦後を生きた冷静な職業作家としての太宰治の姿がそこにはありました。

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