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2013年3月15日 (金)

城(3/14)

Stage32976_1

松本修率いる劇団MODEの城をあうるすぽっとで観る。

05年に新国立劇場で上演した作品(好評を博し、読売演劇大賞、優秀作品賞・演出家賞を受賞している舞台)の改訂版、ということで新たなキャスト、新たなスタッフにより新しい舞台として作り直している。当日配布のプログラムの中で、構成・演出の松本氏がその新たに制作し直した過程が語られているー。。(中略)23人中20人が城のある村を初めて訪れる。。。全員が今回「城」をゼロから読み直した。。。そして様々な場面と役を演じてみた。役者が変われば、当然、言いたいセリフ、やってみたい身振りが違ってくる。演出家もやらせてみたい役柄に変化が生じる。。ー

05年の初演舞台は、カフカの小説の舞台化というのに興味があり、当時The Japan Times内でも記事にしている。とても面白かったので、その後のMODEのフランツ・カフカ小説の舞台化シリーズはお気に入りのシリーズとなり、見続けさせてもらっている。(「審判」「失踪者」ー世田谷パブリックシアター’07年、「変身」ースズナリシアター’07年、アメリカー世田谷パブリックシアター’03年)

(昨年、一昨年のカフカ短編シリーズは残念なことに見逃しているのだが)

舞台ではカフカ小説の不条理、迷路のようなストーリー展開が見事に視覚化されていて、長編小説の舞台版はそれぞれに3時間近い大作ながら飽きることがない。カフカのストーリーを目の前で3Dで、役者の身体を介して体験できる、貴重なアート体験だった。

城 JT記事

そこで、今回の改訂版。。。なのだが、残念なことに、05年の舞台と比べてなんだか今ひとつ大きなまとまりが感じられなかった。

それこそ長編小説を読み進めるようなずっしりとした手応えが感じられず、小さなエピソードを繋ぎあわせたような小間切れな長編作品になってしまっていた。

前回の演出を踏襲している場面もあれば、新しく(劇場・舞台セットにあわせて)作り変えている場面もあり、、いったいどこでその違いが出てきてしまったのか?

劇場の形状、そして大きさの違いからくるものなのか?

それとも新キャストチームの違いなのか??

セットの構造の違いによるものなのか???

もっと具体的にバジェット(舞台制作dollar予算)とかも関係してくるのだろうか?ー今回もパブリックシアターでの公演ということではあるのだが、、、05年と現在の全体的な景気の違いの影響なのか??

前回の好評シーンを再現しているシーンでは不条理を見事に俳優の動きと身体で見せてくれていた(役所で皆同じ格好をした役人たちがロボットのように忙しく働いているシーン、書類が箪笥から溢れ出るシーンなど)のだが、Kが街/酒場で部外者として冷遇される理由、そして謎の男クラム、城とKをとりもつバルナバス、さらにはオルガそれぞれの役わりがはっきりと描かれていなため、話としての強度が弱くなってしまっていて、せっかくのカフカの小説の面白さが伝わってこなかった。

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