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2013年1月28日 (月)

地下室(1/27)

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松井周率いるサンプルの再演舞台「地下室」を駒場アゴラ劇場で観る。


*****演劇サイト より*****

2006年に初演を行った時には、ある集団のカルト化を描こうとしていたように思います。
けれど、現在においてこの作品に描かれているコミュニティはそんなに特殊なものではないでしょう。
もちろん、正常だとも思いませんが、今読み返すと自分がこのコミュニティに希望を託しているような気配を感じ取ることができます。
「信じる」という姿勢を誰かと共有したいという意気込みも。
この『地下室』が皆さんにとってどんな居心地の場所になるか知りたいです・・・とても。
松井周

【あらすじ】
東京の環状線と高速道路に挟まれた場所にある小さな自然食品の店。
そこに住んでいる店長と息子、そして店員たち。 彼らはその場所で小さな共同体を形成し、「水」や自然食品を販売し、自給自足の暮らしをして いる。

「水」を作っているのはその店の地下に住む息子である。
ある日、一人の女の子が働きたいと店を訪れる。 息子はその女の子と出会ったことで、「水」を作れなくなってしまう。 「水」は枯れる。
彼らの生活はゆっくりと崩壊していく。

*************

閉ざされた共同体の中で日々開発され、進化し続けていくマインドコントロールゲームがいかにして人々の日常を浸食していくのか、どうやって拡大していくのかが地下室スペースで手にとるようにわかって面白い。

近年芸能界で起きた洗脳師事件から70年代の一連の連合赤軍関連事件、そして言わずと知れた大規模なカルト集団によるテロ事件オウム真理教事件、そして国家規模の人種特権政策、ナチスドイツによるアーリア人種優遇措置によるユダヤ人排除など、後で内情が分ってくると、その中にいた人と外界のひとたちとの温度差があまりにも大きくなりすぎていること、そしてそれが知らず知らずに拡大し続けていたことに驚くことが多々ある。

外から(観客席から)見ている分には大いに笑えてしまうような出来事の連続なのだが、一度あの窓の無い地下室に入り込んでしまうと、そこに充満する空気(空気読めの空気)に染まってしまうのだろう。

今作の劇世界では大いにカリカチュアされて描かれているため、どのレベルにへも置き換えが可能で、作者が示している「世の中の矛盾」「誰もが犯しうる過ちへの巧妙な落とし穴」に関しても無理なくその批判を読み取ることが出来る。

原発事故の舞台裏、近年の政治茶番を見せられ続けた観客たちは「信じる」ということのリスクを体感してしまっているからこそ、この小さな地下室で起きていることには寛容でいられるのかもしれない。

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