« LFKs「たった一人の中庭」(10/30) | トップページ | 地球★空洞説ープレビュー »

2012年11月 1日 (木)

シルヴィア(10/31)

Stage30471_1

一日あけて、またもや新国立劇場へ。
今晩はバレエ部門の芸術監督デヴィッド・ビントレーが英国で芸術監督を務めるロイヤル・バーミンガム・バレエ団で振り付け(93年に日本人ダンサー吉田都のキャストで上演、その後09年に改訂版を創作し、今回はその改訂版を上演)、日本では初演となる「シルヴィア」を、やはりバーミンガムからのゲストダンサーたち佐久間奈緒とツァオ・チーのキャストで観る。
プログラムの中で振付家ビントレーが語っているように、「シルヴィア」は長い間忘れ去られたうえに、成功を収めた上演も少なかった演目であるらしい。
ギリシャ神話をベースにした話に現代の観客を納得させるほどの説得力がないこと、また昔ばなしとして馴染みのない神話のキャラクターたちの行動を読み解くほどには神話が一般普及していないことなどがそのいまひとつ受け入れられなかった原因であるようなのだ。93年の初演版ではその壁を越えたとは思えなかったらしいのだが(自ら過去の作品を分析してこのように語っている)、その後このストーリーの流れをスムーズにするべく工夫を凝らし、古代神話の恋愛事情として終わらせずに現代人の愛のすれ違いの話を最初と最後に付け足し神話を彼らへの教訓話のファンタジーとすることにより今作ではわれわれ観客の日常とシルヴィアの神々の逸話をぐっと近づけることに成功している。
ビントレーバレエの特徴の一つである、とてもドラマ(演劇)仕立てな舞台構成で、何回も同じ演目を観てほとんどの人が筋を理解しているメインレパートリーの上演とは違う初めての演目ながら、事前に配られるあらすじの助けを少し借りれば、それこそ全く無理無く舞台の流れについていくことが出来る。(踊りとは言え、観ていて話が分らないことほどイライラすることはないので)
振り付けもオリジナルでユニーク。力強く、アクロバティックなリフトとコミカルな演技のような振り、そして細かい足技が光る。
主役の二人は所属するバーミンガム・バレエ団でもよく一緒に組んでいるらしく、それぞれの技術的安定感に加え、コンビとしてもしっくりと納まりが良い。
日本の他のどこでも観られないような演目が新国立劇場で観ることが出来る!これこそが新国立劇場が兼任を承知で、わざわざビントレー氏を迎え入れた理由であり、今回の舞台を観ても、そして前回の日英、和洋折衷「パゴダの王子」上演の成功をみても、それが英断であったのは明らか。願わくば、、それこそここが兼任のイタいところなのだが、、もっと芸術監督の作品を!!さらには英国バレエ団との密な関係、コラボを!!(今後はもう少し増えるようだが)
現状の日本バレエ界のように、お決まりの演目上演ばかりだと、歌舞伎鑑賞のようにバレエ観劇もキャストで観劇日を選んで、ちがったキャストを見比べるという楽しみを重視するようになってしまう。確かにその楽しみもあるだろうが、演目自体を、新しい演出・振り付けを楽しむという観劇寄りの楽しみというチョイスがもっとあっても良いような気がする。
まあ、このあたりが昨今のバレエブームが状況を改善しているとは言え、まだまだヨーロッパなどのバレエ文化大国にはまだまだ及ばない点なのだろうと思う。
レパートリー上演が常時行われているのが前提で、実験的作品の上演、新しい才能の起用をする。。。ここまでくるのにはまだまだ相当の年月がかかりそう。
当面はこの新国立劇場の変化をバックアップして、、国内バレエ団勢力図の活性化、つまり、最近渋谷を拠点とし始めた熊川氏率いるKバレエ団の快進撃を脅かすようなライバルバレエ団の台頭、それによりさらなる全体の活性化を目指してもらいたいもの。

|

« LFKs「たった一人の中庭」(10/30) | トップページ | 地球★空洞説ープレビュー »

「観劇」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/223541/47681330

この記事へのトラックバック一覧です: シルヴィア(10/31):

» 東京都港区六本木のクラブ「フラワー」の実態と真実! [六本木襲撃事件の犯人逮捕!]
関東連合の解明と、六本木の闇の芸能界のタブーなネタが満載のブログです! [続きを読む]

受信: 2012年11月 4日 (日) 10時52分

« LFKs「たった一人の中庭」(10/30) | トップページ | 地球★空洞説ープレビュー »