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2012年10月 6日 (土)

季節のない街(10/5)マチネ

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東池袋あうるすぽっとで山本周五郎の小説をもとに戊井昭人(鉄腕アルバトロスケット主宰)が脚色・演出した舞台「季節のない街」を観る。

あうるすぽっとプロデュース公演ということで、キャストは様々な劇団から集められた混合編成。これが、貧民街に集まってきたバックグラウンドの異なる人々という多様な味を出し、この芝居の長所として機能していた。

季節のない街ー小説解説より

“風の吹溜まりに塵芥が集まるようにできた貧民街”で懸命に生きようとする庶民の人生。――そこではいつもぎりぎりの生活に追われているために、虚飾で人の眼をくらましたり自分を偽ったりする暇も金もなく、ありのままの自分をさらけだすしかない。そんな街の人びとにほんとうの人間らしさを感じた著者が、さまざまなエピソードの断面のなかに深い人生の実相を捉えた異色作。



***ネタばれ注意***

季節のない街という題名ながら、そこに集まる人々は個性的ーカラフルーで一人として他の人と同じような人生を歩んでいる人はいない。横をみて倣うような余裕などないのだ。そんな状況を視覚化したセットでカラフルに彩られたブリキとベニヤ板で作られた可動式の家家が舞台上に並んでいる。エピソードごとに家ごと前後左右に(手動でスタッフによって)移動して、エピソードの登場人物たちの家がクローズアップされるといった趣向だ。

そのそれぞれのエピソードを繋ぐ役として活躍していたのが集落に住む知的障害を持つ鉄道マニアの少年(中島教知ー鉄腕アルバトロスケットから)。年がら年中、車掌帽にタンクトップ姿で「どですかでん(季節のない街を原作に作られた映画のタイトル)」と叫びながら汽車になりきって街を徘徊している。必然的に街の人と出くわすことも多く個々に生活する家を無意識ながら繋ぐパイプとして機能している。

それぞれの家族はそれぞれの価値観でもって、自らが考える「おいしい生活(こんなコピー80年代にあったでしょ?)」を送るべくがんばっている。一般的な基準で計るとちょっと下方に位置する生活水準ながら、日々汗を流し、メシを食らい、隣人を愛し、家族を思い、たまに哲学する。。。人の生活なんてそんなもので十分に幸せなんだという原作のメッセージがシンボリックな舞台装置で展開する不条理劇としてじんわりと伝わってくる。

毛皮族・江本純子、青年団・古屋隆太、、山本ロザ、飯田孝男、池袋遥輝(子役)前述の中島教知、、、と、とにかく出演者全てがそれぞれに見所満載の好演。

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