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2012年10月21日 (日)

桃さんのしあわせ(10/20)

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渋谷でのマチネ観劇と吉祥寺でのソワレ観劇の間にちょうど観ることが出来る上映時間だったので、文化村で映画「桃(タオ)さんのしあわせ」を観る。

さすがに数々の映画祭で賞を受賞したというだけのことがあって、、まあこれが..ブラボーcryinggoodな映画だった。

主人公の映画プロデューサー、ロジャー(アンディ・ラウ)に長年仕えてきたタオさん(ディニー・イップ)はある日脳梗塞で倒れ、病院に運ばれる。療養して、と勧めるロジャーに対し迷惑をかけたくないので老人ホームで暮らすと言うタオさん。ロジャーは友人が経営する家から近い老人ホームを世話してもらい、タオさんをそこへ入所させる。多忙の身ながら、それが当然のことであるかのようにタオさんを頻繁に見舞い、容態が良くなると街へ連れ出し、彼女の人生の最終章を活気づけるロジャー。慣れないところに当初は戸惑っていたものの、持ち前の人柄からかじょじょにホームでの居場所を確立していくタオさん。個室とは名ばかりのカーテン1枚で仕切られた部屋が並ぶホームでは入居者たちの人生が否応無しに透けて見えてくる。そんな中、長年リャン家の住み込みのメイドとして2歩も3歩も先を読みながら仕えてきたタオさんの心配りが回りの人たちの意識をも変えていく。

なるべく多くのものを要領よく、いかにしてものにするか『take take!! Take a chance.」 とばかりに自分の利が優先される当世にあって、このタオさん、そしてロジャーもとにかく自分にあるもんでよかったらどうぞばかりに「give give 」と、損得勘定抜きで差し出し、人へ与える。

たかだか80年の人の一生の中で大切なのは何か、を知っている人たちなんだろう。マネー”ゲーム”ーまさに高得点を出し続けることが目的となったゲームーに興じることが生きる目標となってしまった現代にあって、80年間を濃密に生きるとはこうゆうことかも、と心穏やかに悔いを残さずこの世を後にする生き方の一つを提示してくれている。

実際にこの映画は実話が元になっているということなので、主人公の映画プロデューサーに起きたことが後世にまで残るアート作品になったこのことが、このタオさんの功績の一つとして実を結んでいる。

最後、奇跡も大逆転も起こらず、むしろ驚くほどあっさりとタオさんは終焉を迎え、そして少しのおまけとしてロジャーの今が付け足されているのだが、その表現はまさに原題の「A Simple Life」そのもの。この市井の人々に関する日常らしさが(小津的??)この映画の魅力だ。(英語原題のままだと、ちょっと別の意味あいが出てしまいがちーハリウッドのヒューマン映画みたいな響きーなので香港映画であることを強調してこの邦題になったのかも)

ちなみにこの映画のプロデューサーだからなのか、主演のアンディ・ラウはノーギャラで出演しているとのこと。

「男は黙って。。」といったビールCMのコピーがあったけど、男も女も黙って。。。心通わせる。。のがアジア的なんだよね。

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