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2012年9月27日 (木)

アンダスタンダブル?(9/26)

前田司郎率いる五反田団とフランスのASTROVによる国際共同プロジェクト「アンダスタンダブル?」の初日公演を五反田団本拠地、アトリエヘリコプターで観る。

初日ということもあり、日仏会館の文化担当者などフランス人関係者(らしき)も多くつめかけため、補助席を出来うるかぎり使用しての大盛況となった。

フランス人俳優3人と日本人俳優3人で演じられる舞台は前田司郎が戯曲を担当、フランス人のジャン・ドゥ・パンジュがその翻を演出し、お互いの言語を解さない外国人同士の間に生じるコミュニケーションの不成立とそれぞれの文化背景の違い、そしてその先に生じることもある(かもしれない)まるで奇跡のような、未知なる対象へのお互いの興味から芽生える好奇心からのコミュニケーションの芽を1時間強で見せている。

*****演劇サイト より*******
「アンダスタンダブル?」はジャンに依頼されて書きました。
ジャンのこともあまりわからずに書かねばならなかったのですが、一回二人で話し合いました。ジャンの拙い英語と、僕のさらに拙い英語で。
それでもお互い何かわかりあった気になったものでした。
言葉ってなんだろう。わかりあうってなんだろう。そんなことを考えました。
男と女の物語を書きました。
ラブストーリーです。英語とフランス語と日本語での上演ですが字幕はありません。
わからないことが面白いので。

*****ネタばれ注意*******

一見、即興とも思える日本人vsフランス人の会話、そしてスケッチシーンでは単なる言語の不理解だけでは起こりえない、双方のカルチャーの違い、思考体系の違いが、そのなんともバカバカしい会話のやりとりー例えば、日本人男性が「I love you」とフランス人女性に無防備な微笑みとともに語りかけるとフランス人女性&男性陣からは「You can't say that. Love is not so easy!」と呆れられ、切り返される..日本人の団体調和(ハーモニー)信仰と平和的性善説とフランス人の個人主義&個人が負う責任を明確にする考え方のちがいが表れているーの中で見えてくる。

共通言語である英語での会話によって劇が進行するのだが(時にどんな言語でもない言葉を使ってコミュニケーションを図ろうとする場面もあり、そのシーンではそれぞれがデタラメ言語を話す)、日本チームから発せられる言葉(or単語)がなんとも奇天烈な独自の一方的な思考回路によるもので、もしかしたらこのような西洋人には思いがけない、ときには理不尽な反応が、かえって彼らの「見たことがない・聞いたことがない」といった興味の引き金を引くのかもしれないと思った(ウ〜〜〜〜ん。。だけどその最初の興味が薄れた後には。。。どうなるのだろう)。


アフタートークで作者が「本当にわかりあうって、どういうことだろう。もしかしたら同じ言語を共有するもの同士でさえ、分りあえないことは多々あるように思う。」と話していた。
確かに、その意見には共感するところは多くあるのだが、、、それにしても、今回の舞台においての日本側のコミュニケーションレベルはその語学云々のはるか以前の段階であったとしか言いようがない。

ー例えば、英語を解さない人たちと旅先で話す機会があった場合でも、ほとんど違う言葉で会話を進めながら、もう少し伝わるレベル、相互関係でのコミュニケーションが可能であったと思うのでー

というわけで、その内容に関しては、なんとも奇天烈という可笑しさはあるものの、ある種の会話が成立していたとは思いがたいのだが、、、いずれにせよ、様々な意味で、日本の現状をいろいろな角度から検証するといったことから、海外の状況を推測してみる(例えば、フランスなんかはEUの中で多人種、他言語の人たちと日々ディスカッション、ディベートを課せられているので)といったことまで含め、観てみて絶対に損のない公演だなと感じた。
1時間ちょっとの中でそれぞれに、他の演劇公演では絶対に見えない何かが見えてくるはずなので。


補足:この公演のため、実に三年近くの月日とそれに伴う多くの人たちの労力、お金が費やされたということで、演出家のジャンは感無量の様子だった。
そのお陰でこのユニークな舞台が出来上がったわけだが、そこにもう一つ、第三者の手引きなり第三者だからこそ出来る客観的な指南があってもよかったかな、とは思う。(ドラマツゥルクの役割??)

作家にも演出家にも役者たちにも、確実に実のある時間、体験であったとは思うが、何と言ってもそこにはある程度のパブリックマネーも導入されているわけで、、その部分での文化政策という立場からの提案があってもよかったかも。

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