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2012年9月20日 (木)

ボクの四谷怪談(9/19)

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渋谷シアターコクーンで蜷川幸雄演出、橋本治作、鈴木慶一楽曲のロックミュージカル「ボクの四谷怪談」を観る。

作家、橋本治氏が「桃尻娘」で小説家デビューを飾る一年前(1976年)に突如天からのお告げに突き動かされて(?!)徹夜明けに一日で執筆したという(!!)幻の戯曲を、当時その原稿と出会っていた蜷川氏が思い出し、掘り起こし今回の上演にこぎつけたという舞台。

東大での卒論が「鶴屋南北」だったという作者が熟知していた原作「東海道四谷怪談」を現代(当時の70年代)の世相に反映させて作り上げたのが「ボクの四谷怪談」。

でもって、その70年代を2012年の渋谷で上演。。。(ってか36年前って、観に来る人の中には生まれていない人も多いよね)ーーー私なんかはその時代を知っているから、みんなのベルボトムジーンズ姿にニヤニヤしていたけど、、若い人には何のことやら?ー栗山千明のつぎはぎベルボトム姿は今のかっこいいファッションとして受け入れられるんだろうけどーなんだろうな〜〜。

副題に騒音歌舞伎とロックミュージカルの2語がついている、、ここが気になるところではあると思うのだが、どうもこれに惑わされては(かってに思い込んでいるだけなのだろうが)いけないような気がする。
しいて名付けるとすれば、、、、70年代洋楽にのせた現代歌舞伎 といったところだろうか。

と言うのも、鈴木慶一の音楽が(モチロン)`騒音’でもなければいわゆるロックと聞いて連想する`ハードロック’でもないから。

で、芝居本編なのだが、3幕構成による3時間強の盛って、盛っての大サービス演目。

「四谷怪談」のストーリー、人間関係を説明する役割を担っていて、大部分でその本歌を踏襲している第一幕では、その役割ゆえなのかこの作品の面白さがまだなかなか見えてこない。。。ミュージカルの歌うたいの部分でもタモリがよく形容している「なんであそこで突然歌いだすのか、不自然でしょうがない」というような違和感、もたつき感も多々感じられる。

が、2幕に入って、一応のストーリー説明を終えたあたりから、、お岩さんが幽霊となって登場するあたりから、どんどん原作から道をわき道(橋本治のわが道)へとそれていき、それに連れ、芝居も面白さを加速していく。

第3幕ラストの長大な伊右衛門(佐藤隆太)の独白などはあっぱれと声を入れたくなるほど(佐藤氏の演技に関しては、まだまだこれからさらに加速していくことを期待するが)。

1日で書き上げたというそのエネルギーが前面にあらわれる(書かなければ!というエネルギー)、橋本氏の世に言いたいことー`なんでみんなと同じでなければならないの?いいじゃない好きにすれば。。余計なお世話だから、ほっといてほしい’ーがほとばしる後半部分が痛快。

で、この作品にとってのうれしい偶然(まあ、考えつくされてのキャスティングなのだろうから、あながち偶然ではないのだろうが、うれしい結果、と言えばよいのか)として、2幕からお岩役で登場する歌舞伎俳優、尾上松也の奮迅の活躍があげられるだろう。

歌舞伎スタイルで妖艶に死んでいくお岩さん、幽霊になってうらめしく登場するお岩さんも良いのだが、その後にまっているクライマックスでのドンデン返しもまた素晴らしい。

でもって、肝心要のパートである歌がダントツに説得力があってーその他にもテナーの瑳川哲郎、ロックな栗山千明、三浦涼介 らもいい味を出しているーこれだったらいきなり歌い始めるのにも、説得力があると思わせてくれる。

勝村政信、そしてナイロンの女優陣、峯村リエ・新谷真弓の安定した演技力にも注目。

曲ではラップでご飯を食べるナンバーとフィナーレの「ロック街道四谷怪談」がグッド!

前述したように、ちょっとネタが古い(何と言っても70年代という今なので)と感じる箇所もあったが、この混在ワールドー役者のカラーも時代もオチもみんなごちゃごちゃと混在しているーを楽しんでみるのも一興。

ーお隣さん、、1幕の後の休憩で帰ってしまったようなのだが、残念でした。面白かった、よ。ー

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