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2012年9月17日 (月)

りんご(9/16)

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神奈川芸術劇場(KAAT)の若手発掘プロジェクトKAFE9のプログラム、快快の「りんご」をKAAT大スタジオで観る。

(CAFE9仕掛人のひとり シアタープロデューサー中村さんのインタビューはこちらから)
CAFE9 中村茜インタビュー

脱(既存の)演劇を仕掛ける若手演劇グループの旗手として04年の結成依頼、様々な演劇&アート分野で活躍をしているパフォーマンス集団快快(ファイファイ)。

今回のCAFE9が世界へと羽ばたく若手をアピールするプロジェクトでもあるのだが、彼らの場合は既に世界での活動経験も豊富で、ヨーロッパではフェスティバルで最優秀賞受賞(10年、チューリッヒ)も成し遂げているという、ある意味どこよりも海外で名が知れわたっている劇団。

そんな彼らのターニングポイントとなるであろう今回の新作「りんご」は彼らのヨーロッパでの評価が偶然でも、サプライズ的な一回性のものでもなかったことを裏付けるガチな内容の舞台だった。

今回かぎりで旗揚げからのオリジナル主力メンバー4人(篠田千明、中林舞、天野史郎、大道寺梨乃)が抜けるーそれぞれに海外を活動の拠点に移したり、活動路線の変更をしたりと次の段階へ進むらしいーということで第一期(と言えるかどうかは今後の活動次第だが)オリジナルメンバーでの快快活動の集大成でありながら、そこは快快、彼らの考える「今」をヴィヴィッドに表現し、今後の方向性まで暗示した舞台となっていた。

震災後のわれわれ日本人が選ぶ道を提案した本作は、リーダー北川陽子の母の死(10年間ぐらいに亡くなった)に関するわだかまりを思いの発端に、それぞれの死生観から日常の中の「死」ーそこには当然のことながら去年の大震災でわれわれが目の当たりにした多くの日常に起きた「死」も含まれるー、さらにはこの国の行く末、人類規模での存続の危惧と大小さまざまなスケールでの「終わり方」が語られている。


快快らしく元気に劇場全てを使い、時にはライブパフォーマンスならではの笑いを交え、いくつかのスケッチを展開していく舞台。

イベント色の濃いパフォーマンスを得意とする劇団だが、今回の舞台に関しては作の前述北川氏が事前のネットサイトインタビューで語っているように、骨太なストーリーが核として据えられている。

震災後、それぞれの生きる場所を探った、またはいまも探し続けているメンバーたちの「今」がおさまりよく隠されることなく、赤裸々に綴られた作品で、このような明確なメッセージを示した作品がヨーロッパ市場で高く評価されるのは至極当然の結果と思える。

前にも話したと思うが、ヨーロッパ、英国などでアートを発表する際に、クリエーターがまずはその作品について言葉で説明出来るというのが大前提であり、そのロジックを説明しない、よく日本で目にする「まあ、実際の(舞台)作品から読み取って下さい。」といったような「読み取ってくれ」的な表現に関する沈黙は通用しない、もしくは過小評価されるということ。

その意味において、彼らのオープンな、そして積極的な自己表現、問いかけは大いに歓迎されるのだと思う。

***快快HPより 「りんご」へ向けての声明文(by 大道寺梨乃)からの抜粋***

「今までみんなを騙していたけど、結局東京でいちばんまじめに頭良くカルチャーぶってたのって私たちだったのかもしれなーい(泣)」

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これ、なかなか的を得ているかも。

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