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2012年6月26日 (火)

水無月の云々(6/25)

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トラッシュマスターズの中津留章仁主導の若手中心演劇ユニット中津留章仁Loversの「水無月の云々」を新宿三丁目、地下小劇場、タイニィアリスで観る。

2010年から始動したプロジェクトで今回が5回目の公演となる。4月に行われたオーディションで140名の応募者の中から選ばれた14名の役者が中津留氏の新作を熱演(ちょっとヒートアップしすぎの感もあり)。

********あらすじ ネタバレ注意********

昔ながらの商店街で酒屋を営む一家の人間関係の紹介で幕を開けー一家の弟がガールフレンドを疎ましく思い始めたところに長らく彼への思いをひた隠しにしていた従兄弟の存在が介入してくる。姉は新しい彼氏との結婚を目前に控え、元カレのストーカー行為に悩まされている。その日、長男不在のこの家に美しく貞淑な(!?)兄嫁が引っ越してくることになっていたー、その後それぞれの恋愛事情は激変する。
お互いへの不信感がうずまき、思い通りにならない不満が充満する家。
一触即発状態の家族、その苛立ちの大きな原因となっていた長男の事情ー服役中ーに関する謎が弟によって明らかにされる中、さらなる悲劇の連鎖が一家の崩壊に拍車をかける。

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良く言うとドラマチックーあまりにも次々にショッキングな事件が起こるので、その意味では舞台から目は離せないー、しかしながら、ドラマ仕立て過ぎ(冒頭に登場する二男の彼女の言動は信じがたい。女性週刊誌のツクリ話投稿並みにあまりにも観客の刺激を求める欲求に応えすぎている。また家族間で「人間って。。。」って日常で説教しないし、哲学語るなんて恥ずかしすぎる。)詰め込み過ぎ(恋愛・人情語りかと思いきや、サスペンスものとなり、、、最後にはカミュの「異邦人」で不条理劇へと着地。。。ちょっと欲張りすぎて、それぞれの繋がりに力技的な無理やり感が。。)、といった独り相撲の傾向が。

まずは、一人一人のキャラクターに劇の流れにこじつけた無理やりさがあるので、各々の役に説得力がない(もしも、こんな人たちが存在したら、それこそ希代の頭がオカシイ一家ということになるのでしょう。劇中で何度も繰り返されていたように、もちろん「人は想像範囲外の行動をとってしまうことがある」し、そもそも分らないのが人の存在であるのだとは思うが、そこには何らかの説得力/リアルがないと。。。でないとわたしたちと同じ生き物の話として受け取れない。。。どんなに陳腐な奇想天外な人物描写でもよいのだがー例えば、東京乾電池の「恐怖、ハト男」のようにハトでも、またはシェイクスピアの「冬物語」のハーマイオニのように唐突に生き返ってもよいー彼らの言葉、存在にそれを信じさせる必然性がないと。)。
また、台詞についてなのだが、観客へ与える印象、衝撃度は高くそれなりのインパクトがあり劇を運ぶ効果を生んでいるのだと思うが、いかんせんそれぞれが断片的で、劇作全体としての説得力に欠ける。
たとえば、一見普通に聞こえる会話の一つ一つに人間の不可思議さを織り込むような繊細さが欲しい。思い切って、言い切ってしまえば確かにその意図は誤解無く伝わるだろうが、反面それに付加の要素が載るノリ白が少なくなってしまうので。

その他、ところどころに不快な表現もありー恋愛を`変態’の一言で枠付てしまったり、頭脳に欠陥のある、もしくは不具合のある人たちも存在する(どっちが正常?!)とか、、、資本主義の矛盾に関しても、もう少し掘り下げて一元論ではないところで論じて欲しかった。

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コメント

エアコン効きすぎでお尻が痛い、拷問のような3時間弱でした。
書いて頂いた感想が、まさに言い得て妙。
よくぞ言ってくれました。
「魂をゆさぶる云々…」のうたい文句に、腹がたちました。

投稿: nezumi | 2012年7月 5日 (木) 16時39分

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