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2012年6月15日 (金)

三谷版「桜の園」(6/14)

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パルコ劇場で初物づくしの三谷祭りの第一弾、初めての他の人の戯曲の演出舞台三谷版「桜の園」を観る。

三谷版とついているところからも分るように、自身初の翻訳戯曲演出とは言え、チェーホフ戯曲「桜の園」を忠実に演出しているというわけではなく。。。。とは言え、自身がインタビューで語っているように(↓JTでのロングインタビューをご参照)それほどまでに別モノとして翻案しているわけでもなく、基本的にはチェーホフの「桜の園」の戯曲に沿って、若干の省略、または演出による笑いへの導入、動きによる笑いのサービスなどが加わったものとなっている。

三谷幸喜 ロングインタビュー

****ネタばれ 注意 ***********

開演前に家庭教師シャルロッタ役の青木さやが前説で登場し、場を暖めーここでの時事アイドルネタが爆笑ものー、さらには三谷の声でのロシア語(デタラメ??)による場内放送が入り、ロシアの文豪「桜の園」を日本演劇界の星がついに演出!!!!!といった「!!!!」の雰囲気を一気に和ませる。笑いへ向けてのウォーミングアップの時間といったところ。映画宣伝でも公開前に番宣に出過ぎとの批判もうけている三谷氏だが、とにかく作品のために「最善を尽くす」ことをしないとと思うタイプなのだろう。やらないで悔やむよりもやってちょっとばかりうさん臭がられた方が全然マシ、とにかくその2時間の場を最大限に有効化するために、サービスしないわけにはいられないのかもしれない。
ーこれはインタビューをした際にも感じたこと。とにかく少しでも良い作品にするため、純粋にそれだけの思いなのだと思う。ー

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舞台全面に再現されたロシアのお屋敷の中の子供部屋のセット。庭に面して天井までの高さではめ込まれたガラス扉からは桜の園の広大な敷地がちらちらと見える仕掛けになっている。

休憩無しの2時間15分で、場面転換は無し。全てがこの子供部屋で起こる。人々は庭に面したガラス戸と(劇中、役者に「何でみんなこんなところから入ってくるのかしら?(玄関ではなくて)」と語らせて、この状況を自らつっこんでいる)、また反対側の屋敷の他の部屋へと続く扉から出入りを繰り返す。

2時間15分、ず〜〜〜〜っと流れるように、それこそ十二分に楽しませてもらったのだが、この舞台の勝因はドンピシャのキャスティングにあると思う。

様々な分野から、それこそ驚きのカップリングー朝丘ルリ子のラネーフスカヤ夫人と市川しんぺーのロパーヒンのやりとりーをも実現させているのだが、全ての役がそれぞれにハマり役なのだ。さらには彼らが一同に介した時の全体のバランスも絶妙。
藤木孝と市川しんぺー、さらには青木さやかに大和田美帆、、これほどバラバラな(ようにみえる)人々が介した時に、これほどまでにしっくりいく、というのが何とも神業的。

人がそれぞれ活き活きとしているので、ヴィヴィッドな舞台として、遠くロシアの森の奥ではなく、身近にいる変な人たちの集まりのコメディとして楽しめる。

(まったく、別の話だが帰宅してユーロ2012のサッカーの試合を見ていたら、開催地としてウクライナのハリコフが出ていて、、あれ、ここってロパーヒンが最後に商用のため旅立った場所だよな〜〜〜、なんて。。2012年と20世紀初頭の時間差がいっきに縮まったようで、、、そう考えたら、今の世に「桜の園」をヴィヴィッドに上演することも可能なことだ、と実感できたように思えた。)

まあ、とにかくそれぞれの役者が各々に魅力的だったのだが、得に藤井隆の上手さに脱帽。

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