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2012年6月15日 (金)

月の岬(6/14)マチネ

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座高円寺で青年団の「月の岬」を観る。

青年団で97年に初演、劇作家/演出家の平田オリザが他の作家ー松田正隆ーの戯曲を演出担当した初めての作品で、演劇賞を受賞するなど高評価を得て劇団の代表作の一つに挙げられる名作の再再演。

*******劇場 HP解説より**********

夏の朝、長崎県の離島にある平岡家の居間。長女の佐和子、すでに嫁いだ次女の和美は、長男の信夫と直子の結婚式に出かける支度で忙しい。信夫や和美の夫・幸一が勤める高校の生徒たち、幼馴染の清川悟、その妻と娘、近隣の人々が訪ねてくる。
ありふれた日常風景の中で対峙する人々の会話からは、微かな亀裂から露見し、深い歪みがそこに暮らす人々の秘密となって暴き出される。……『月の岬』チラシより

平凡な日常をおくる姉弟の生活が、あるできごとをきっかけに、徐々に捻じれて、歪んでいく……。

長崎弁を用い、繊細な人間の機微を丁寧に描いた『月の岬』は、97年に初演され、この年の読売演劇大賞最優秀作品賞を受賞しました。
「伝説の名作」として記憶に残る本作を、今回は2000年の再演以来12年振りに再々演します。

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劇場いっぱにに作られた南の離島の旧家の開放的な居間を再現したセット。風通しのよさそうなすのこ状ー透かし彫りといった方が上品かなーの木造建築、庭先の植物を模した(今風で言うと緑のカーテンのようなもの)幾何学的な模様の背景も、いかにもその土地の気候風土にあっているようでGood!!
知り合い、家族たちが約束なしでもちょっとふらっと立ち寄るような、そんなオープンな田舎の日常の風景が一瞬で理解できるようになっているーでもって、この南国ならではの解放感と、さらには離島ならではの閉塞感がこの芝居の大事な状況要素となるので、この伏線は効果的。


昨今、容疑者の誤認逮捕が確定して15年間にわたる収監から釈放されたネパール人ゴビンダ・マイナリさんのニュースで再び話題に上がった(さらに昨年公開された、園子温監督の映画「恋の罪」でも題材となりその際にも記憶を呼び起こされた)東電OL殺人事件。ーこの東電OL殺人事件、ちょっとググっただけでも驚きの経緯ー免罪の経緯もそうなのだが、この事件の中心人物東電OLの生活ぶりがそんじょそこらのフィクションなんか問題にならないほどもの凄いー(それにしても、検察のプライドなのか何なのか、15年間
もの時間を半ばごり押しで奪った、それら法の番人たちの暴挙に対しての罰則がないというのも理不尽な話)

まあ、この被害者女性ほどの二面性、それも完璧にその裏の顔を隠した表向きの日常の顔というのはないのだろうが、多かれ少なかれ人には意外な裏の顔、計り知れない本心があったりするものだ。特に、一見何も刺激的なことは起こらないような田舎の平和な教育者の家にも(芝居の中で主人公の姉弟の弟は高校の教師をしている)、平穏であるからこそ何らかの火種はくすぶっている。。。それは往々にして人間の根幹の部分、性的な欲望をきっかけに爆発したりする。。。っていう話。

青年団俳優たちのノーマルな外見と平田演出の卒のなさが、この話の気持ち悪さをー下世話な憶測をすればどこまでもその闇が深くなりそうなところを、まさかそんなことをこの常識人らしき人たちがやるのかな?といったそのちょっと手前のところで押さえているように思う。

反面、東電OL殺人事件のウィキを読んでからこの芝居を観たとしたら。。。人の妄想に歯止めがきかず、最悪のシナリオを妄想してしまうかもー近親相姦あり、未成年との不適切な関係あり、でもって(これは明確に提示されているのだが)不倫と駆け落ちーと、、、。


この最後の道ならぬ恋の果ての逃避行、、の部分のキャストがちょっと弱かったかな。

だって、見てるかぎりではどちらかと言えばストーカー行為に迷惑している、としか思えなかったからーーーう〜〜〜む、これも一般的な見方で、人の心の奥には一筋縄ではいかない嗜好があったりするのかな?

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