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2012年6月12日 (火)

危機一髪(6/11)

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ソーントン・ワイルダーが「わが町」に次いで3度目にピューリッツァー賞を受賞した作品「危機一発(The Skin of Our Teeth)」の劇団昴による舞台を六本木 俳優座劇場で観る。

******あらすじ 演劇サイトより*********

太陽は昇り、世界の終わりはまた一日延びた。
氷河、洪水、地震、そして戦争。
人々は知恵ひとつを武器に時代を乗り越えてきた。
舞台は今まさに、氷河期を思わせる寒さの中。
五千年の悠久の日々を生きてきたアントロバス夫婦、そして子供たちも微かな火の温もりにすがっている。
恐竜、マンモスの明日はもはやこれまで…押し寄せる悲劇の気配。
しかし人間、やはり静かに歩き出す。地平遥か、希望の灯りに導かれ……。

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全3幕からなる芝居で今回は休憩を入れて3時間弱の大作。
「わが町」に比べると上演回数も少なく、馴染みの無い戯曲なのだが、さすがに賞を受賞しているーそれも「わが町」の後でー戯曲だけあって、最後まで見終えると、その偉大さがしみじみと沁みてくるという作品。

上記のあらすじにある通り、氷河期にマンモス、メタシアター構造の積極的な働きかけ、と最初から骨董無形な状況が多発するため、特に翻訳上演となる日本ではなかなか手を出しにくい戯曲であるのは至極納得がいく。

その点、今回は百戦錬磨のベテラン演出家鵜山仁氏の演出ということで、戯曲に対する遠慮や畏れは感じられなかった。

が、しかし、やはり氏をもってしても、かなりの難事であることは1幕、2幕の観客席のとまどいをみても予測できることではある。

劇構造的には、「わが町」とかなり似通っていて、最終的にユニバーサルな領域にまでつれていかれるところはさすがと思わされるのだが、いわゆるつかみ部分である前半が、観客を劇世界に引き込むのにかなりの力技が必要となるのだ。

昴の熟練俳優をもってしてもー熟練だからかもしれないがーそのあたりにちょっと弱気が見え隠れし、もしかしたら若手劇団あたりー翻訳家の水谷氏が新国立劇場での「わが町」上演に際して行ったレクチャーの中で昨今の注目新進劇団、チェルフィッチュ、ままごと、(ワイルダー贔屓を自負している)中フラ、五反田団、あたりのワイルダー的要素を指摘しているがーが自らの手法で(それらは実のところワイルダーが実験して試したものと似通っていたりするのだが)KY的にものにしてしまった方がすんなりといくのかもしれないとは思った。

それにしても、これほどまでに至れり尽くせりの劇作家、ワイルダーって天才なのか、それともすごい秀才なのか。。。

客観的視野というのが、作品の普遍性を支えている。

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