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2012年5月31日 (木)

サロメ(5/31)

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新国立劇場で平野啓一郎氏による初の戯曲翻訳とKAAT(神奈川芸術劇場)の芸術監督である宮本亜門氏による新国立劇場における初のストレートプレイ演出(ミュージカルは劇場の代表作となっているものを何本か過去に演出済み)ということで、、、、さらには多部未華子主演ということでも話題の19世紀耽美主義の代表作家、オスカー・ワイルドの代表作「サロメ」を観る。

*******演劇サイト解説 より*********
『サロメ』は1891年に書かれたが、1893年2月にパリでフランス語版が発行され、その一年後に英訳がロンドンで出版された。。。。1896年ルーブル座でフランス初演。日本初演は1914年、松井須磨子主演で芸術座(劇団)による公演。最近では2009年の翻案劇としての上演や、ク・ナウカによる上演がある。
1905年にはリヒャルト・シュトラウスがドイツ語訳を歌劇にし、今日まで非常に人気の高いオペラ演目となり、近年も世界的に話題となる公演が次々と行われている。
本公演ではイェルサレムの王女サロメとヨカナーンの恋の悲劇にいたるまでの群衆劇を丁寧に作り、義理の父であるヘロデ王、母のヘロディアスとの3人の家族を中心に幻想的な台詞劇、美しく魅力的な新しい作品として甦らせる。
2010/2011シーズンに続く[JAPAN MEETS… ─現代劇の系譜をひもとく─]の一環として小説家の平野啓一郎によるフランス語からの新訳上演を企画し、現代の日本語の台詞によって作品世界を再生し、上演したい。

******************

中劇場での上演ということで、舞台美術はかなり大掛かりで派手。

初日に先がけて開かれたプレスの席でも関係者が一同に声をそろえて話していたのは「新しいサロメ」というキーワードだったのだが、そのコンセプトの下、新訳は現代口調、セットは白を貴重としたスタイリッシュなもの(予言者ヨカナーンが監禁されている地下牢は別ーこの地下牢が舞台の下の部分に作られいて、その回りにお堀状の空間があり観客席から地下の様子が見えるようになっているーこの装置はGood good)、そして衣装はヨウジ・ヤマモトとこちらもスタイリッシュでまとめられている。
舞台上に大型テレビがあったり、護衛の人たちが機関銃を装備していたり、スタイリッシュな家具で統一されていたので、明らかに「今」の時代へ移行して舞台が形作られていた。

どうもこの現代化への試みがあだとなって、原作本来の魅力を緩慢にしてしまったように思う。

実は以前に、これと同じような経験をしているのだが、英国在住の際、やはりストーリーの分る芝居ということと、たまたま通っていた学校がRSCの(当時の)本拠地バービカンセンター内にあったこともあり、時々ディスカウントチケットを入手してシェイクスピア劇を観ていたのだが、、、おそらく当時の流行であったのだと思うが、なんだか中途半端に現代設定にしていてー例えば現代の会社の中での権力闘争とか恋愛沙汰とか。。ーえらくつまらない芝居になってしまっていたのだが、なんだかそれに似通っているように思う。

確かに舞台上の人々はスムーズに会話を進めているのだが、反面、そこに文学としての美しさが乏しい。。。でもって中劇場向けの大ぶりで大げさな演技でたっぷりと喋るものだから、従来戯曲が持つ簡潔にして刺激的というミステリアスな緊張感の良さが生まれてなかった。
(あと、気になったのがヘロデ王の「わしが。。わしは。。。」という語り口調。。他、とくにサロメなどは現代語口調で統一されていたので、気になった。)

あとは、申し訳ないがやはり主人公のサロメのミスキャスト。。。今回は無邪気で純真なサロメ、彼女の未熟な実直さが引き起こした残虐な結末。。ということでサロメを捉えたようなのだが、本人は幼くても、実直でも良いのだが、やはり回りから見た時に、男なら誰でもが引き寄せられるような「何か」、それこそ少女だからこその残酷な魔力ー例えば、コンプリシテの舞台で深津絵里が見せたような春琴の残虐さーがあればこその全ての話の流れだと思うんですけど。

これは多部さんだけの問題でもなく、例えば彼女が演じたとしても、例えばメイキャップなり衣装、さらには髪型を変えるだけでも、かなり怪しいけど無防備な少女には化けられたと思うのですが。。。いかがなものでしょう。


総じて言えば、、ソンハのヨカナーンだけがきちんとそこにワイルドの「サロメ」のヨカナーンとして存在していたように思った。


ちなみに、95年に宮城聡率いいるク・ナウカの若手公演として上演された「サロメ」ー劇団の代表作の一つである美加里さん主演のバージョンは見逃しているのだがー、五反田にあるオフィスビルの地下の一画で上演されたのだが、素晴らしい舞台で今でも忘れがたい作品。

かなりの部分で観客の想像力に様々な解釈をまかせた舞台となっていたのだが、小作品ながら強度があり、傑作だった。


先日掲載したソンハのインタビュー(英語)はこちらから。

ソンハ インタビュー

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