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2012年5月31日 (木)

キツネの嫁入り(5/30)

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駒場アゴラ劇場で吉田小夏率いる青☆組の「キツネの嫁入り」を観る。

巷の演劇サイトなどではエラく評判が良い舞台。

ー舞台美術に関しては、アゴラ劇場の形状を上手く使っていて、さらにはお伽噺にふさわしく想像を喚起するような、なかなかステキな劇空間を作り出していたし、演出に関しても空間を四方八方に広げるようにしてあの小さな劇場を民家、村とその周辺まで上手く描いていたし、過去と現在の時間軸も巧みに入れ込んでいたと思う。常連の客演役者さんたちを含め、役者たちも劇団のカラーに即していたと思う。

でも、題材とストーリーについては。。。う〜〜〜む、ちょっと後味が悪かった。おそらくこれは私の趣味によるところも多いとは思うがーと言うのも、大半の好意的な意見の観客達たちにはほっこりしたり、癒されたり、とヒーリング効果もあったようなのでー、前時代的な女性の描き方がどうにもこうにも、、気持ちがわるいのだ。

*****おはなし ネタバレ注意****

近未来のある島国ではなぜか近年女の赤ん坊が育たない。結果、この男ばかりの村では種が途絶えるかもしれないという存亡の危機に貧している。そこで、なんとか子孫を残そうと今は女性の数が極端に少ないこの村で、ある男が回りの勧めもあり子種を作るためにキツネの嫁をもらう。どうもキツネが嫁ぐという風習が以前からあったようで、キツネの側も心得ていて、身を粉にして亭主に尽くす。
その甲斐もあり、晴れてキツネの嫁は子どもを宿す。。。しかしながら、人間達は自らの愚かさでそんなかすかな希望のタネをも根絶やしてしまう。。同時にこの村で過去に犯した過ちが現在の困難(種の断絶)を引き起こしていたんだということも明らかにされていく。

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嫁いだ嫁がキツネなので亭主の理想にあわせて顔を変える(最初は母親に似た形相で、時と場合によっては無くなった先妻の顔にもなる)なんて、なんとも可愛らしく、でもってとっても皮肉なエピソードーだって男はおしなべてマザコンということで、みんなオイディプス願望があるということでしょ?ーがあったりする。

また、他にも、あちらこちらに今の日本に関しての批判なども含まれていたりするー少子化であったり、原発事故の将来の子ども達への影響、さらには身近なところで、ゴシップに振り回される村社会、さらにははみだしものを村八分にする村社会  etc..ーのだが、いくら寓話とは言え、やっぱり近未来の人たちが、未来の話だからこそ(劇中でも未来に関するお話はよくも悪くも、どちらにすることも出来ると言っていたが)、こんな男性達の飾りもの、付随物、として家事と子づくりの専門として描かれるのは、、なんだか哀しい。

ま、逆説的な皮肉としてキツネに子づくりさせたりしているのかもしれないけれど、もしも同じような状況で未来を描くとしたら、、、私の趣味としては、少数は貴重という利を活かして、近未来では男女の立場が逆転し、女が思い切りブイブイ言わせて逆ハーレムを形成していたとか、女の貞操観念と種の保存、そして愛という行為に対する問いかけをするとか、、、もっとしたたかで進化した女をみたかったように感じた。

女はお茶を入れて、菓子をつくるだけよりも、もっともっといろいろなことが出来るはず。。。それが男女雇用均等法の成立のもとであり、男も育メンとなる、というのが現代なんだと思うけど。どうでしょう。

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