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2012年4月15日 (日)

まほろば(4/12)マチネ

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蓬莱竜太の08年岸田國士賞受賞作品の再演、「まほろば」を新国立劇場で観る。

******あらすじ 演劇サイトより***********

東京で一人暮らしを続け、未だ独身であるミドリは、久しぶりに実家のある村に休暇をとって帰郷する。それは故郷では有名な祭りの夜。男たちは外に出払い、本家であるミドリの実家は宴会の準備で大忙しである。ミドリの母であるヒロコは小言が絶えない。長女であるミドリは結婚もせずに東京暮らし、次女のキョウコは自由奔放な女で、その娘・ユリアの父親は誰だかわからない、当のユリアもどこにいるのかわからない。本家の血を絶やす気か、と怒り心頭のヒロコを本家の「大母様」であるタマエと、村の娘・マオが二人の間に入り、なだめてくれるのだが、ヒロコの耳には入らない。
しかしそんなヒロコにミドリはきっぱりと言う。
「たとえ婿を連れて帰っても、子供は出来ません。何故なら、私、生理があがってしまったから」
そこに突然、ユリアが帰って来る。不倫の果てにお腹に子どもがいる、この土地で子を産み、この土地で暮らしていきたいと告げる。
「親子揃って、わけのわからない子を産むなんて!」とヒステリックになっているヒロコ。
「父親のいない子供を産む大変さを、あんたは全然わかってない」と出産に反対するキョウコ。
「自分だって父親が誰だかわからずに私を産んだでしょ!」と言い返すユリア。
「産みたいなら産みなさい!産める時に産まないときっと後悔するわよ!」と力説するミドリ。
それぞれの思いがすれ違い、どこにも辿りつかない。二日酔いで気持ちが悪くなりトイレに駆け込むミドリ。
ふいに「それはもしかしてつわりではないの?」と指摘をされる。そういえば大いに酔っ払った日、男と関係を持ったような記憶があるような、ないような。妊娠検査の薬を持ってくるヒロコ。調べるミドリ。陽性であるか陰性であるかを待つ緊張の時間。しかし、この待っている時間にヒロコにあることを問われる。
「もし、妊娠していたら。本当に産むの? 本当に母親になる覚悟はあるの?」
はたと、このシンプルな質問に立ち返るミドリ。
「私の幸せとは何か? 母親になることなのか?」
そして、ついに検査の結果が出る瞬間が訪れる……。

********************


蓬莱竜太は岸田賞をとるに値する上手い劇作家であるしー何を書かせてもきっちりと客を見据えて彼らを満足させるー同じ新国立で上演された「エネミィ」(10年上演)もとても好きな作品なのだが、この「まほろば」に関してはどうもすっきりとはいかないのが初演からの感想。

男の妄想に近い理想がかなり加味された女神たちの物語かなという気がする。もちろん男性作家が書いているわけで、女性に近づかなくてはならないというわけでもないので、そういった一つの男性からのメッセージとして受け止めればそれもありなのかもしれないが。(野田秀樹の「ダイバー」でも同じように感じたが)


大地のように大らかな、懐深い女性。母なる海と大地。

こんな女性を求められそれを母性と崇められても、それでは、いくら当世男子に比べて明らかに「強い」女性たちとは言え、ちょっとそれは不公平、と文句も述べたくもなるというもの。

生命の営みがもっと自然に近かった原始の時代ならともかく、保育園に入れるにもお金がたくさんかかる現代において、(シングル)マザーになるというのは、かなりシビアで厳しい実情ではないのかと思うのだ。
それでもがんばっているママさんたちが多くいるから、少子化のこの国でも、どうにか子どもたちが育ってはいるのだが。

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