« 乞骨(12/12) | トップページ | ロッキー・ホラー・ショー(12/15)マチネ »

2011年12月14日 (水)

死の町(12/13)

Stage20097_1


楢原拓氏引き入る劇団チャリT企画の新作「死の町」を渋谷の雑居ビルの最上階にある小スペース Gallery LE DECO 5で観る。

前作「ネズミ狩り」でその完成度の高さ、コンテンツの剛柔のバランスの良さなどに驚いた↓のだが、

ネズミ狩り

今回の「死の町」でもその良さはそのまま、作りは思いっきりシンプルになってー劇場内スペースには役者が就く椅子が数脚おかれているのみー、その意味では社会的な側面がはっきりと見える形でのガチな現代劇に仕上がっていた。

前作「ネズミ狩り」でもそのタイトルからして意味深であったのだが、今回の「死の町」でもこのタイトルが最初から最後まで大きな意味を持ち続けることとなる。

現野田内閣発足直後、経済産業大臣となった鉢呂吉雄氏がその就任からわずか9日後に辞任することとなった発端の「死の町」発言ー就任直後に福島第一原発周辺地域の視察に訪れた後、その感想として「市街地は人っ子一人いない、まさに死の街という形だった」と発言し批判された件ーから始まり、その発言の真相を探るという形で劇が進行。最後は、その真相らしきものが解き明かされ一連の謎解きが幕を閉じるという形で終わるのだが、同じ「死の町」という言葉でありながら、時間を経るにつれ、その出発点と到着点とでは180度違った景色が見えてくるところがまさにこの劇の真骨頂。さらには直接的に原発事故事象をモチーフとして扱いながら、ただ事故に関して憂慮する、もしくは不安を煽るだけでなく、この事故が起きた背景にある真の闇、腐敗、、これが見えてくると一過性の事故ではすまない将来へ続く悪が見えてくるーに言及しているところが見事。

ーーーー謎解き、劇の筋などの詳しい内容はここで記すのは控えるが、「民主主義」が「経済主義」に飲み込まれている現状、原子力村の不遜で強大なパワーを透かし見ることが出来るーーーー

それも、観客にその闇に関する説明をほどこすというスタイルではなく、劇を観ていれば自然とそのからくりが見えてきて、観客自身が自発的に気づくことが出来るという作品になっているところが大きな成功点と言えるだろう。

小さなスペースでの公演なので、混雑必至。お早めに、チェック!

余談:おそらく、イギリスで上演されている多くの小劇場作品はこれに類似したものが多いように思う。その意味でも、(優れた字幕を付けた上で)イギリスでの上演なども視野に入れても良いかも。

|

« 乞骨(12/12) | トップページ | ロッキー・ホラー・ショー(12/15)マチネ »

「観劇」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/223541/43372437

この記事へのトラックバック一覧です: 死の町(12/13):

« 乞骨(12/12) | トップページ | ロッキー・ホラー・ショー(12/15)マチネ »