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2010年11月 7日 (日)

3Abschied(3つの別れ) (11/6)マチネ

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彩の国埼玉芸術劇場でベルギー、と言うよりも世界を代表するコンテンポラリーダンスカンパニー、ローザスのリーダー、アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル(写真真ん中の青いトップスのダンサー)の実験的な最新舞台「3Abschied 」を観る。
日本では一足先に愛知トリエンナーレ芸術祭で上演された作品。

******劇場HPより*****

『3Abschied ドライアップシート(3つの別れ)』は、今年生誕150年を迎えたマーラーの大作『大地の歌』の中で最も長大な最終楽章「告別」を題材にした作品だ。中国の孟浩然と王維の2つの詩を元にしたこの楽章は、日本でもなじみ深い。ベルギーを代表するダンスカンパニー「ローザス」を率い、長年ダンスと音楽の関係を探り続けてきたアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルにとって、この楽章のダンス化は長年の夢だったが、今回コンセプチュアル・アーティスト/振付家として世界中で活躍するジェローム・ベルとタッグを組んで、敢然とこれに挑戦した。

世界有数の現代音楽アンサンブル「イクトゥス」によるシェーンベルク編曲の室内楽版の演奏とメゾ・ソプラノの独唱に、アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルのソロ・パフォーマンスが組み合わされて生み出された新たなる世界、それは従来にない意欲的、実験的な舞台となった。


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マーラーの「告別」が表す、死と対峙する世界感に感銘を受け、それを体現したいと思い立ったケースマイケル。。。躍動するダンスとマーラーの死を達観する視点とは相容れない、、それゆえにダンス作品としては成立しずらい、と回りから反対されたにもかかわらず、どうにかして自分なりの方法でこの楽曲を身体で観客へ伝える事は出来ないだろうか?と模索し、途中からは第三者、フランス人ダンサー・振付家ジェローム・ベルとの共同作業により、完成させた作品。

彼女の私的な探究心から端を発したこの作品、彼女の芸術的欲求を試す/満たすために進められた作品製作は、その道から大きく外れる事はなく、最終的にもかなり個人的な、限られた芸術の可能性を探る、その意味で実験的なーま、実験なくして進展もなし、なのですがーニッチな目的を果たすためにかなり贅沢な条件で作られた舞台。ー彼女の実験=音楽とダンスの重なりを実現する、のために少人数ながらオーケストラとソプラノ歌手が動員されているわけですから。

作品構成としては3つ(3つの「告別」という題名から)のパートから成り立っていて、

第1ーこの作品を作るに至った経緯、そしてこの試みが目指すところ、、をケースマイケルが観客へ説きあかし、それに続いてオーケストラの演奏に併せ、彼女のソロダンスが展開される。オーケストラの間をぬって、邪魔にならないように踊るー身体を音楽にのせるーゆるいダンス。

第2ーここで、客席にいたジェロームが舞台へ上がり、オーケストラの奏者たちにも演じてもらうように頼む。そこで、舞台にいる全ての人が死を表現するという仕掛けになる。

第3ー「告別」を身体で表現すること=自分で声楽パートを演じる、と解釈したケースマイケルが声楽を習った、その成果を披露。決して、声楽のプロのレベルではないのだが、身体を使って表現するという主旨からは外れてはいなくて、確かに、彼女が「告別」の世界を表現しようと試みている姿をダンスと唄で目撃することが出来る。


と、このように。。彼女の本職であるダンスのパートだけだと30分ぐらいのステージということになるが、「告別」をライブステージで観客の目と耳、そして感性へ届ける、という総合ステージとして2時間弱という時間を共有することとなる。

私踊る人。。。あなた観る人。。。という既存の関係から一歩先へ踏み出した(or 外れた)ダンスステージだった。

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