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2010年10月27日 (水)

おそるべき親たち(再見)

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あまりに良かったので、観られるうちに観ておこう、と「おそるべき親たち」を友人と再見する。

舞台の出来としては、大人達の掛け合いは相変わらず揺るぎなく、、、でもって、大人達の玩具である子ども君ーミッシェルー役の満島真之介君が良くなってました。初舞台ということなので、初日はさすがに一瞬浮き足立っていたような箇所もありましたが、この数日ですっかり安定。

お姉さんー満島ひかりーのプロフィールによると、おじいさんがフランス系アメリカ人のクォーターだそうでーと言う事はひいひいおじいさん(おばあさん)がアメリカ人ってこと?ー、甘いマスクが印象的。

ーここでミニ知識ー********************
この天使の顔をした餓鬼んちょミッシェル役ですが、ご存知の通り、パリでの初演舞台でこの役を演じた(フランス人らしからぬ正統派美男子俳優)のがコクトーのアムール(愛人)、ジャン・マレー。彼は当時25歳で、この舞台で一気にスターダムにのし上がり、その10年後に制作された映画でも同じ役を演じている。
その後、再演の際にぜひにと志願したのがその2年後に「太陽がいっぱい」で大ブレイクするアラン・ドロン。(実現はせず)
95年にはこちらも正統派美形の英国人俳優ジュード・ロウがNYの舞台で演じ、翌年のトニー賞にもノミネートされている。その後の彼の活躍を見れば、この役が彼に与えたものの大きさを計り知る事が出来るだろう。

この人たち、、なんとなく顔の系統が似てますよね。

満島君は彼らよりも、甘さを多く加味したタイプ。にしても、この舞台が彼の今後に大きく影響することはやはり、間違い無し。

*********************************

で、お芝居ですが、やっぱりこの戯曲が、、、母と息子の濃密な依存関係ー特に最後のシーンで明かされるほどの深いつながりーが、日本戯曲では無いですよね。
息子のためにわが身を捧げ、人体実験をかってでる「華岡青洲の妻」の母親でさえ、一応表向きには息子の学術研究のため、で、息子を嫁にとられたくないから、とは口が裂けても言いませんから。

それにしても、この戯曲に出てくる大人達のなんて自分勝手な事。。。それぞれが、誇らしげに自己を肯定し、その一方で他者のを批判することには躊躇しない、、、日本だったら、それこそ「自分のことは棚に上げて」と言われ、「人のふり見て我がふり直せ」とたしなめられるところなのでしょうが、自分の思うところを正直に告げない方が、たとえそれが人とは違っていたとしても、それこそ人としてどうよ?という考え方がフランス流なんでしょう。

それに加え、「アムール(愛)」こそ全ての国フランスとどちらかというと個人の愛を語ることに消極的な日本。

しかしながら、昨今のグローバリズムの下、欧米の個人主義への賛美から「個人主義」が日本社会に浸透しつつあって、若者などは「世界でひとつだけの花」であることに重きをおいているとも言われているようですが(で、みんなで流行の指南本を読んで、結局だれかの受け売りになってしまっていたり、奇抜な外見でしか自己主張出来ないというのも。。なんだかトホホなんですが)。。。みていると、どうもその「日本の個人主義」も個人主義のある断片しか受け入れてはいないようで、、、「個」があるということはそのもう一方に「公(パブリック)」が存在するというところをあわせては輸入していないような気がする。
その両方でバランスをとってこその「個」だと思うんですがね。
ー自分も大事、だけど、それを守る為には公的認識をみんなできちんと共有・実行する。。。だから、モンスターペアレントになる前に、どうやったら我が子が包括的に良い教育を受けられる環境にするか?を考える。。。その方法を、それぞれに違う立場の人たちが話し合って検討する。。ってね。


と、ちょっと芝居から話がそれましたが、

一見、対極にあるようなフランス文化だからこそ、そこから学ぶべきことも大いにあるってことですかね。

やっぱり、これほどまでに赤裸々に自分たち大人の姿をみせられたら、、観劇後はそれについて考えますから、で、友人とそれについて話したりしますから。。ね。

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コメント

観劇後のビール片手に
思わず日仏母子論を語ってしまうほど
インパクトのある作品でしたね。beer

それにしても
あんなに言いたいことを120%言う人々、
”信じらんな~い”でした。

Σ( ̄ロ ̄lll)

投稿: RINKO | 2010年10月28日 (木) 01時34分

RINKOさんも思わずグビグビ、ビールがすすんでましたものね。
数々の「信じられな〜〜〜い」発言も、つまるところブルジョワの戯れ言、。。ともとれるのですが、何かが変わるとそこにあった何かは失われている、、、ってひとの世の常なんですかね。

投稿: Nobby | 2010年10月28日 (木) 10時30分

はじめまして。「恐るべき親たち」ご覧になったのですね。うらやましいです。2008年から「日本で舞台化を!」を叫び続けていたのに、知らずに見逃しました。
拙ブログで貴ブログのエントリーのリンクを貼り、かつトラバを送らせていただきました(トラバは着かないかもしれません。その場合は無視してください)。
事後承諾になり、申し訳ありません。リンクに問題あればお知らせください。

なお、元祖「恐るべき親たち」については拙ブログの以下のエントリーで全力絶賛しております(笑)。よろしければご笑覧ください。


http://plaza.rakuten.co.jp/mizumizu4329/diary/200805270000/

投稿: Mizumizu | 2011年6月26日 (日) 16時59分

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