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2010年9月29日 (水)

絶滅のトリ(9/29)

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田村孝裕主宰の劇団ONEOR8による「絶滅のトリ」を連ちゃんのキャロット通い、シアタートラムで観劇。

チラシに映っているこの二人ー柄本佑(たすく)と伊藤俊輔ーの独特な存在感が、芝居をさらにもう一段階持ち上げるのに一役買っていた。

(一昨年前の新国立劇場ー「シュート・ザ・クロウ」で演出の田村孝裕さんと柄本佑君は一緒に仕事しているんですね。それで、今回のタッグとなったのでしょうか。)

ややもすると、陰湿な内輪のゴタゴタ、スキャンダラスなドラマで終わってしまいそうなところをそのゴタゴタの輪から外れた、社会からも落ちこぼれたこの二人のキャラクターによって、またそれを演じた二人の見事な表現によって、いっきに社会ドラマの様相を見せせていた。

*****ネタばれ注意*****

タイトル通り、(架空の)絶滅種の鳥ーオウカンチョウー、を保護観察する目的で離島の観察センターで働く人々の話。
(余談:昨年訪れた佐渡島には、言わずと知れたあの絶滅危惧種トキの保護センターがあったのですが、トキの保護、雛の育成のために日々働いている様子が自然の山間部につくられた保護地区の網の外からもうかがえました。大変そうでした、よ。)

その保護センターの他には民家もないその島では、外部からのチェック機能が働かないままで職員たちの怠慢勤務が暗黙の了解で続けられていた。
保護の成果か、絶滅種の危機から乗り越えられそうなそのセンターが注目を集める事も無く、外部から取り残され、世間から忘れ去られた日本のアルカトラズ島と化していた。

幕開け、久々の新任女性職員の到着にわく男性職員たち。
若い職員を夢見ていた男性陣の期待を裏切り、赴任してきたのは研究者にはおよそ見えない中年女性(角替和枝ー柄本佑との親子共演)。彼女は前任者の怪我による休職により、突然派遣されたピンチヒッターのはずだったのだが、、、実のところ、その経緯の裏には、この閉鎖的なセンターが抱える、真の闇事件が関係していた。。

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とてつもなく極端な村社会=閉鎖的な小さな集団であるセンター。暇を持て余しているようではあるが、仲間同士でそれなりに楽しく、むしろその暇を皆で楽しんでいるように見えた序盤から、第三者の介入をきっかけに、次々と露になる、歪んだ人間関係と組織の腐敗の実態。

狭い社会で起こりがちな様々なドロドロを、人間の弱さをいろいろな形で見せてくれている。

その中で、大人の事情とは一線を画し、イジメられてきた世の中とおさらばして、自分の世界にひきこもる為にこの離島へ赴任希望してきたのが、前述の若者二人。

特に伊藤演ずるところのジロウに至っては、自分の生き様にオウカンチョウの成長を当てはめ、結果、このオウカンチョウと離れての暮らしは考えられないほどにこの島の生活にどっぷり依存しきっていた。

絶滅から救うために日々努めてきたはずだったのに、自分の(安全な)立場を揺るがす事態が発生したとたんに、その目的を忘れ、あれほど溺愛していたオウカンチョウに向かっていく伊藤。。。

いじめられていた弱者の立場から一転、さらに弱い立場の無力な雛に牙をむく。。。これがイジメの構造なのだろうか。


最後にこの若者二人が、ぶちキレた後に見せる会話は、将来への明るい兆候ととって良いのだろうか?
せめてそう願いたいところ。


柄本佑(柄本明の息子)君。ひょうひょうとした演技でいつもながらに目立っておりましたが、タッパもあるし、色気もあるし、ストレートに二枚目役もいけるんじゃないでしょうか?

松田兄弟のように、柄本兄弟ブレイクか?

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