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2010年9月17日 (金)

亀の気配(9/16)

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ナイロン100℃若手公演、喜安浩平作・演出による「亀の気配」を新宿サンモールスタジオ(新宿御苑駅からが一番近い)へ観に行く。

喜安氏はナイロン。。に役者として所属しながら、自らの劇団「ブルドッキングヘッドロック」を10年前に旗揚げ、その劇団で06年に上演した作品の再演だと言う。当時は男性版と女性版の2パターンーそれぞれの立場からみた同じ事柄を描いているーを日替わりで上演したらしいのだが、アンケートには「よくわからなかった」という感想が多かった、とパンフレットで振り返っている。

そんなとんがった作品を、今回は親切に分り易く、それでいながら初演時に見せたかったテーマを色あせずに描くように、、と再考された今作。御大、ケラリーノ・サンドロヴィッチの監修も加わり、出来上がった作品は2時間20分の時間をぎっしりと充実させた、かなりの秀作に仕上がっていた。

***ネタばれ注意***

父親が勤め先の工場で命に関わるほどの大怪我をしたという知らせを受け実家に戻ったサイコ。東京で彼女と長年一緒に暮らすフミオはこれを機に初めて彼女の家族と対面する事となった。

父親の入院が長期に及ぶことが分り、それならば、と自由業である利点を活かし、ここらで心機一転!と、そのかなり辺鄙で閉鎖的な田舎の実家へ移り住むことにした二人。

東京でのフリーの映像カメラマンの仕事に行き詰まっていたフミオは早速、サイコの姉の紹介で姉の夫が努めている、そして義父が怪我をしたという町の家内工業の工場への就職を取り付ける。

田舎でのんびり彼女とまったり人生やり直そう、というフミオの思惑とは裏腹に、彼らの人生は閉塞的な田舎社会の闇へと、どんどん引き込まれ、取り返しのつかない悪夢的状況にまで追いつめられていく事になる。

**************


この悪夢的状況を予見させる伏線は幕開け直後からはられていて、それぞれ田舎の住人たちがかなり怪しい。それもかなり可笑しい。さらにはマッドな感じでクレイジーにおかしい。。
でもって、この悪夢はどんどんエスカレートしていく。
観客の想像をはるかに越えて、笑いと一緒にマッドの度合いも上がっていく。

村の、工場の、そして家族の秘密って何?という謎解きテイストと馴れ合いになった男と女という普遍のテーマ、そしてB級ホラームービー(良い意味で)ばりの強引さと血みどろ加減、、とこれらモロモロの魅力あるストーリーが無理なく、次々と繰り出され、まったく飽きる事が無い。

でもって、若手役者で構成されたチームが、さすがに劇団というまとまりをみせ、完成度の高い舞台を実現している。

「女と所帯を持つと覚悟を決めた男、それなりに我慢もするし、その家族の為なら犠牲も払うさ。。」と言葉にするとこんなにも美しいのに、その実態を見たら、こんなにもスプラッターな悲惨なものでした。。。と。
でも、所詮、綺麗ごとを言っても、男と女、、それぞれに人には言えないハズカシい過去の一つや二つ、、そしてどうにもならない家庭の事情の三つや四つぐらい、あるんだよね〜、と言う見事な人間ドラマ。

20日までなので、見逃すな!

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