Giselle(K-ballet), 楽屋、雨の夏、30人のジュリエットが還ってきた
*Giselle (K-ballet)
ヴィヴィアナと熊川氏の久しぶりのパドゥドゥを心待ちにしていたファンも多いはず。ところが、ヴィヴィアナが初日の大宮公演で怪我をしてしまい、急遽降板という事態に。
二大看板の片方が降りてしまったにもかかわらず、最後のカーテンコールがそれなりに盛り上がるのはさすが熊川大明神のお陰でしょう。
いつもながらに、細部まで気を配った演出・振り付けはさすがの一言。ここまで懇切丁寧に作り上げれば、まさに子供にもお話が分かりやすい。単に踊りの技術やセットの豪華さ、コスチュームの奇麗さだけでなく、根底からバレエ教育を行っていけばバレエ界の将来にも大いに役立つと言うこと。
K-balletの長期的なバレエ文化普及プランは実に分かりやすく、無駄が無い。こうゆう所を国の芸術振興プランでも大いに学んで欲しい。個人の短い欲や野望では無く、長いスパンで広い視野で!
で、代わりに踊った東野泰子さん。プリンシパルの前段階のファースト・ソリストなのですが、今回の「ジゼル」にはまさに適役だったのではないでしょうか?
白鳥、、や眠り、、のようなこれでもかとテクニックをみせつけるような演目ではなく、細かい心情演技が要求される「ジゼル」。か細い心が萎えてしまい、狂気の後に死を迎える幼い田舎娘の役にとてもあっていたように思います。
もちろん、天才ダンサーヴィヴィアナの狂気の表現も観たかったのですが、ま、今回はまた違った趣を楽しめたということで、オーケー。
*楽屋
シスカンパニー主催、豪華女優陣の競演が話題の舞台。
1時間半後、なんだか、狐につままれたような後味の舞台だった。
主役級の女優四人ー渡辺えり、小泉今日子、村岡希美、蒼井優ーがそれぞれの持ち味を活かし軽妙に演じ、また演出も笑いたっぷりでサービス精神に溢れているのだが、最後に「それで?何?」と言いたくなるのが悲しい。
そんなに楽しませなくて良いから、ガチンコ勝負を展開して欲しかったかな。
で、なんでこんなにぬるい芝居になってしまったのか?と思いながら帰りの電車でパンフレットを読んで、なんとなくその理由の一端が分ったような気がした。
四人で座談会をやっているのだが、まず、ここで緊張感というものが感じられない。口々に今回の座組は本当にやりやすいしリラックスとおっしゃっていて、それぞれのホームグラウンドからちょっと面白そうな芝居の場にやってきた感じ。奇しくもそのパンフの中で村岡さんが言っていた「軽いオモシロになってしまうと、作品の本質と違いますからね。」って、、、なってしまっていたんですけど。
で、さらにパンフ冒頭の演出家、生瀬さんが「面白くする、僕はこれを基本方針にしました。」と言っているので、そこにも致命的な全体としての不協和音が。
それぞれが思う「楽屋」をそれぞれ別々に思いっきり舞台へ出してしまった感じ。それが個々に上手いだけに不協和音の音が大きく重なりすぎてー下手な人が数人いれば誰か一人の色にまとめあげられたかもしれないけれどー収集がつかなくなってしまったのかも。
*雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた
これも、上演意図がさっぱり分らない舞台でした。プラス豪華な顔ぶれと蜷川演出だけに、途中で帰るにはもったいなさすぎて最後までしっかり観劇しましたが、その辺りをかじりかじり楽しむだけで、もう一度観たいかと聞かれると。。。ウーーーーーンと唸ってしまう。
宝塚の大階段も大人数の人海戦術も、芸達者なトップクラス俳優の競演もあったが、まずなぜこの芝居を2009年5月に観るのか?というそこの時点で疑問が残ってしまった。
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