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2008年4月 9日 (水)

バーム・イン・ギリヤド

Big_chirashi_blog

アメリカ人のエンタメ界の巨匠、ロバート・アラン・アッカーマンが日本で始動し始めたニューカンパニー、その名もThe Companyの本格的始動第一作「バーム・イン・ギリヤド/Balm in Gilead」を新宿シアターモリエールで観る。

シアターモリエールって、今まで何を上演してきてたの?? 場所は三越裏でものすごく良いのに、観劇歴25年の私ですが、芝居を観に行ったという記憶がないんだけど。。。。音楽ライブとか映画上映とかやっていたのかな〜?? 

ま、いずれにせよ、場所選びはドンピシャで大正解。まさに劇設定のニューヨークの人が行き交う場所にある若者達の溜まり場という雰囲気にぴったりの場所でした。 さらには劇場内に作られたニューヨークダイナーの舞台セット(加藤ちか)も完璧で、開演前の期待は最大限に膨らんだのでした。。で、その後。

開演直後、30人からなる役者たちが客席(小さな劇場なので、舞台との距離もほとんどなくすぐ客席に来れる)へなだれ込み、それぞれの素性、欲求などをGIVE ME!!!とアグレッシブに客相手に訴えかける。ここまでも、若者たちの勢いが時下に伝わってきてオーケー!
で、その後、舞台前での短いナレーションとその乱雑なダイナーで繰り広げられる若者達の会話、けんか、独り言などからそこにふきだまる満たされない若者達の状況が描かれていく。
アッカーマンの演出は、さすがベテランだけあってそつがなく、感心するところしきり、なのだが、、なんだかどんんどん心は舞台から離れていってしまうのはなぜ?

つきつめるところ、やっぱり、この60年代のアメリカの芝居を2008年の東京で上演する意味が、今一つ理解しがたいというところに行き着いてしまう。舞台にリアリティーが感じられないのだ。それこそ、アッカーマンが一番大切にしているところの「芝居のリアリティー=舞台上の世界と今日との接点」が見えないのである。
確かに、今の日本でも若者のドラッッグ中毒とか、売春行為とか、確実に大きな問題ではあるとは思うけど、当時のアメリカ社会におけるその現象と、今の渋谷あたりの現象とは大きなギャップがあり、ー例えば、今の日本の若者の大半がファッションとしてクールだからドラッグをやり、ブランド品の為に身体を売り、、薬中やアル中から抜け出せなくて悩む若者よりも、人との距離のはかり方、自己の存在価値を認められない、、などの悩みを持つ若者の方がはるかに多く、その若者のうっせきの仕方、そのモヤモヤの発散の仕方なども当然の事ながら、この30年間にかなりの変化があり、それがニューヨークのダイナーではどうしても表現しきれていない、という悲しいかな、俳優達の熱演にもかかわらずの結果になってしまっているのである。

それに加え、、やはり主役級の二人のミスキャストも、舞台全体をしらけさせる要因となっているように思える。
パク・ソヒも宮光真理子もそれぞれに良い役者であることは、もちろん認めるが、、この30人のパワーの中心を担わせるのはちょっと酷。中心であるべき、二人の会話シーンが一番弱い、というので、そこで流れを止めてしまっていた。
中嶋しゅうと町田マリーのあまりにももったいないキャスティングにも???ハテナマーク。

そんな中、確実に将来このカンパニー、いや日本演劇をしょってたつ、逸材たち、、ー中川安奈、斉藤直樹、チョウソンハ、、、玉置、町田、矢内、カトウ、、などなど、などなどに貴重な体験をもたらしているという意味では絶対に価値のある舞台であるということも付け加えておきたい。
(でも、あくまでも商業公演として上演しているので、なんとも言いがたいが、次回作に大いに期待するところ)


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コメント

今晩見てきました。ちょっと気になって既評を探していたら、何かもやもや思っていたことをぴったり言い当ててくれてました。おっしゃるとおりですね。それなりに楽しめましたが、主役が一番印象薄い感じでは・・・
2,3週間前にベニサンでみた90年前のマヤコフスキーのほうが現代を感じました(もちろん、そういう演出をしていたという部分はありますが、原作自体の「年をとらなささ」みたいなものがある気がします)Y

投稿: | 2008年4月14日 (月) 23時58分

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