ミュージカル宮(Goong)(12/21)

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神奈川芸術劇場で現代演劇史に確実に残る名作、チェルフィッチュの「三月の5日間」を観る。
当日券を求めて並ぶ多くの人々。その列の長さが如実に物語っているように、そして下記の説明文にもあるように`世界27都市’の人々が観た(これ、すごいです。かつてそんな日本制作の作品はあったでしょうか?)という事実が表しているように、やっぱり近年の日本演劇を代表する、クネクネ、ダラダラ(今回の上演ではその部分は変更されていましたが)とした表向きとは裏腹に骨太の社会派芝居でありました。
******演劇サイト より******
世界27都市で上演されたチェルフィッチュの代表作、待望の国内での再演ツアー決定!
【岡田利規コメント】
「三月の5日間」は、2003年のイラク戦争開戦時に、六本木のライブハウスで出会った男女が、そのまま渋谷のラブホテルに行き、そこで五日間を過ごす、という話です。今から八年近く前に書いたものです。思い入れ、と言ったことなら、僕はこれまで自分がチェルフィッチュで作ってきたどの作品にもそれぞれ、深い思い入れがあります。しかし作品が僕たちにもたらしてくれたもの、連れて行ってくれた場所だとか境地、さずけてくれた機会、出会わせてくれた人びと、そういうことから言うと、「三月の5日間」はチェルフィッチュにとって、僕にとって、やはりとても特別な作品です。
それにしても、なんだか信じられないことです。この作品の上演回数が今回の公演中に百回に届く予定というのもさることながら、それを書いたのがかつての僕だというのが。(岡田利規)
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初演時にはその新しい演技スタイルークネクネ&ダラダラーであったり、言葉使いであったり、演出方法などが殊更に取り上げられ、新時代の演劇と称された芝居だが、あらためて見直してみるとーそれは小説で読んだ時にも大いに感心させられたことではあるのだがーいやはや、かなり計算しつくされた緻密な劇作で、かつ社会的・普遍的なテーマに取り組んでいることにまたまた驚かされた。
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楢原拓氏引き入る劇団チャリT企画の新作「死の町」を渋谷の雑居ビルの最上階にある小スペース Gallery LE DECO 5で観る。
前作「ネズミ狩り」でその完成度の高さ、コンテンツの剛柔のバランスの良さなどに驚いた↓のだが、
今回の「死の町」でもその良さはそのまま、作りは思いっきりシンプルになってー劇場内スペースには役者が就く椅子が数脚おかれているのみー、その意味では社会的な側面がはっきりと見える形でのガチな現代劇に仕上がっていた。
前作「ネズミ狩り」でもそのタイトルからして意味深であったのだが、今回の「死の町」でもこのタイトルが最初から最後まで大きな意味を持ち続けることとなる。
現野田内閣発足直後、経済産業大臣となった鉢呂吉雄氏がその就任からわずか9日後に辞任することとなった発端の「死の町」発言ー就任直後に福島第一原発周辺地域の視察に訪れた後、その感想として「市街地は人っ子一人いない、まさに死の街という形だった」と発言し批判された件ーから始まり、その発言の真相を探るという形で劇が進行。最後は、その真相らしきものが解き明かされ一連の謎解きが幕を閉じるという形で終わるのだが、同じ「死の町」という言葉でありながら、時間を経るにつれ、その出発点と到着点とでは180度違った景色が見えてくるところがまさにこの劇の真骨頂。さらには直接的に原発事故事象をモチーフとして扱いながら、ただ事故に関して憂慮する、もしくは不安を煽るだけでなく、この事故が起きた背景にある真の闇、腐敗、、これが見えてくると一過性の事故ではすまない将来へ続く悪が見えてくるーに言及しているところが見事。
ーーーー謎解き、劇の筋などの詳しい内容はここで記すのは控えるが、「民主主義」が「経済主義」に飲み込まれている現状、原子力村の不遜で強大なパワーを透かし見ることが出来るーーーー
それも、観客にその闇に関する説明をほどこすというスタイルではなく、劇を観ていれば自然とそのからくりが見えてきて、観客自身が自発的に気づくことが出来るという作品になっているところが大きな成功点と言えるだろう。
小さなスペースでの公演なので、混雑必至。お早めに、チェック!
余談:おそらく、イギリスで上演されている多くの小劇場作品はこれに類似したものが多いように思う。その意味でも、(優れた字幕を付けた上で)イギリスでの上演なども視野に入れても良いかも。
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